☆パワーの源☆
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「だからあなたは負けたときにどうするつもりなんですか。」
次郎は元一郎を振り切るように走るスピードをあげた。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
元一郎はあわてて次郎のあとを追う。 次郎は大きくカーブを描き、河原の直線コースにはいった。 どんどん二人の速度は速くなっていく。
「くっ・・・!!!」
元一郎の体が一瞬次郎の前にでた。 大きな木が二人の前に立っている。 タッチの差で元一郎が木の幹に触れた。
「・・・や、やった!」
元一郎の目が子供のようになっている。 それを見た次郎はニヤリと笑って、仰向けに倒れた。
「チックショー! ・・・元ニィ、速いじゃんかよ。」
「はぁ・・・ はぁ・・・ 昔、陸上やってたんですよ。」
大きく息をつきながら、元一郎も次郎に並んで仰向けに倒れる。
「陸上?」
「あの頃は、テープを切ることだけを考えて・・・ それだけを考えて・・・」
元一郎は目を閉じ、太陽の光をまぶたに集める。
「勝てるんですか。」
目を閉じたまま次郎に問いかけた。
「だから勝つことしか考えてねぇって言ってんだろ。」
次郎は勢いよく飛び起き、木の幹に背中を預けた。
「そうですか。」
「そうだよ。」
「・・・保育士よりも遅いのに?」
元一郎がニヤリと笑って次郎を見つめた。
「うっせーな、車が走るからいいんだよ。」
次郎がくやしいフリをしながら砂を蹴った。
いつのまにか、二人は笑っていた。 まるで旧い友人のように。
*****
こんなシーンがあったに違いない、と思った22時前。 そうじゃなかったら元ニィが懐柔した意味がわかんねぇぞ。ヲイ。
エンジンももう最終回なんだよねぇー。 どんな終わり方をするのか、いろんな意味で楽しみだな。
いかがでしたか? お気に召したら・・・
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