Silent Song
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2005年12月12日(月) 「届かなかったSOS」(その後)



私は戻った、「あの場所」へ…。


もう「戻ることはない」と、
優柔不断の私には珍しく、
全く、迷いのない気持ちだったのにね。

…でも、
後日、あらゆることに「誤解」や「行き違い」
生じていた事実を知った。

あの時、「荷物もって^^」といった人は
私が直前に死んだ事実を知らなかった。

私がモンスターに囲まれてると知って、
私を助けるため、真っ先に飛んでくれたから、
その後の連れの「静花がそのせいで死んだ」という
会話を聞く機会がなかったからだった。

「ただ眠くて帰還するだけだと思ってた。
ごめんね><」


謝ってくれた。

他にも私が「死んだ」ことを知らなかった人がいた。

その子は

「静花さんに悪いことをした…。
謝りたいし、(経験値の復旧に)力を貸したい。」


…と連れに話し、
私に対しても、お手紙が届いた。

連れも、あの時は私との個人的な
メッセージのやり取りで精一杯で、
その時私がおかれていた状況や交わされた会話を
把握する余裕がなかったみたい。

その後を狩りを続けたのも、
彼は「リーダー」だから、責任上抜けるわけには
いかず、仕方のないことだった…。


…でも、彼はすごく後悔し、謝ってくれた。

本当に悔いて、
「一緒に居てあげたいよ…。
 一緒に泣いてあげたいよ…。」


…と電話の向こうで苦しそうに
つぶやいた。

「自分は無力だ…」
・・・と。

私が何か少しでも元気が出ることをしたい、と、
お昼近くまで、何時間もかけ、私が欲しがってた動物を
テイム(ペットにすること)を頑張ってくれた。

(その動物はテイムはとても困難な動物で、
連れは数え切れないくらいチャレンジしたけど
結局テイムはできなかった。)

「テイムできないから、その動物で別の人がペット化したものを、
お金で買って静花にプレゼントしたいと思う。
本当に役に立てなくてゴメンね…。」


…といってくれた。
その動物のペットはすごく高いので、
私は止めて、結局自分で買ったけれど(苦笑)。
(だって、連れはお金は少ししかもってないから…)

・・・また、

その時に、
私の日記を楽しみに読んでくれていたメンバーがいて、
彼も次の日、私にメッセージを送ってきて、
何度も謝ってくれた。

「日記も楽しみにしてたから、なくすことは
本当に残念だ」
と…。

「自分の行動を後悔してる。
本当にごめん。。」
…と。

彼は日記を更新すると
「日記見たよ〜、うけたw」って
報告してくれた人だった。

…最後に、

一番、心配して気遣ってくれたのは、
ゲームで一番の仲良しの友達の女の子だった。

「なんで私がとめられなかったんだろう…」
「後悔しても後悔しきれない;;」


例の事件があった直後、
「大丈夫?;;」と彼女からメッセージが届いたけど、
私はショックが酷すぎて、メッセージを返せる
状態じゃなくて、そのままゲームを切断した。

彼女は悪くないのに(アイテムも置いてない)、
心配するメッセージもくれたのに、
返事ができなかったことを、
後日、私の方が謝らないといけないと思っていた。

でも次の日、
彼女から携帯にメールが届いた。

「確かにあれは皆冷たかったと思う…。
私が逆の立場でもショックを受けると思う…。
何もできなくてごめんね。
身体が良くなったら、戻ってきて。」


…という内容だった。
まさか携帯にメールまで送ってくれると
思ってなくて意外だった。
あの時、メッセージすら無視した私なのに…。

私がゲームにイン(接続)したら
すぐ「こんにちは^^」って挨拶が届いた。

私からは何も働きかけなかったのに…。

私がゲーム内で一番心の内を話せるのも、
冗談を言いふざけ合えるのも、彼女だった。
連れとのエッチに関する、ちょっと生々しいような話も
彼女には相談できた。

そして彼女の彼は、
私が以前所属していたサークルの
リーダーだった。

(つまり今の私と逆の立場だった。)

お互いの彼氏同士の性格も、事情も
知り合ってる古い付き合いの子だった。

ただ、彼女はかなり「八方美人」な性格で、
明るくて人懐っこい反面、友達も多い。
…でも裏を返せば誰にでもいい顔をするから、
その影で誰かを傷つける…。


そのため、私はそのことが原因で
心が離れたこともあった。


…でもその後、話し合いを経て、
和解することになったけれど。

・・・・でも話をしていて、
彼女の意外な事実を知った。

「私、静花以外に(ゲーム内で)仲がすごくいい
女の子っていなくて…。」


私は正直驚いた。

彼女はすごくオープンで人懐っこくて、
誰からも好かれて、
だから沢山友達もいて…。

…でも私がその時、話を聞いてわかったのは、
実際は彼女は
「明るい仮面」「他人に嫌われたくない仮面」
つけていて、沢山の人と仲良くやってるように
見えたけれど、

多分…、”仲がいい”といっても、
「質的」には浅い付き合いだったんだなと思う。。。

彼女は多分、素の自分を出したり、
明るさ以外のこと(真面目なことや暗いこと)を
出すのが苦手なのだと思う…。
きっとそれは彼女なりの彼女の人生で形成されてしまった
「癖」なのだと思う。

今回の件はとてもショッキングで
深く傷つく結果になったけれど、

もう「戻ることはない」と決めていたけれど、

私はメンバーの謝罪と”戻って欲しい”という
言葉を何人からも聞いて、「戻ろう」と決めた。

…そして戻った。

だって、もし私が戻らないままなら、
謝ってくれた人たちは
「自分のせいで…」って、
ずっと負い目を引きずる
だろうから…。

…だから私は彼らの誠意や気持ちに対して、
「戻らないといけない」と思ったから。

今はもう、あの件に関して、
何もうらみも、しこりも抱いてない。

返って、一つ手に入れたものがあると思ってる。

最後に話した彼女との心の距離が
縮めることができたこと。

彼女のことを知ることができたこと。

「仲良し、って嬉しい言葉だね^^」

彼女は本当に嬉しそうに言った。

…私は彼女の「友達」であり続けたい。

彼女の「悪い癖(八方美人な性格)」も受け止めつつ。

彼女を理解してあげたい。

彼女に何かあったときは味方になってあげたい。


辛かった。
本当に辛かった出来事だったけど、

でも、失くしたものばかりじゃないと、
思っている。







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