Silent Song
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2005年12月10日(土) 届かなかった「SOS」。



バカみたい



そこは「道具で逃げる」ことが不可能な
場所だった。

…だから、ひたすら足で、

逃げ回って、必死で逃げ回って

必死で助かりたくて

でも私の足は遅くて

逃げてる私をあざ笑うかのように

追ってくる敵の数は増えていって

私の体力はどんどん削られていって、


そこは助けにきてもらえる場所じゃないって

わかってたけど、

無我夢中で、

必死で連れに対して「助けて」って

メッセージを送ろうとした。

助けをよぼうとしてた。


・・・でもその声は届かなかった。


その声を届ける間もなく、


私はむごく

殺された。




ショックで呆然とした。

でもそんな私に追い討ちをかける
傷つく出来事があった。


「死んじゃった…;;」

って、死んで死体になり、仰向けになりながら、
連れにメッセージを送った。

その後、一緒に狩りをしていた
サークル員がその場所にきてくれた。

(大丈夫?)
(元気だして;;)


普通、一緒に狩りをしていた人が
死んだらまずこう言う。

・・・・少なくとも私なら言う。


…でも私を気遣う言葉を言う人は
誰一人といなかった。

代わりに私に投げかけられた言葉は、

「(帰るなら重いから)
ドロップした荷物もってって^^」


…だった。


その一人の言葉と、地面に置かれた
アイテムを契機に、

他のメンバーもポイポイと
アイテムを地面に置き始めた。

私は、信じられなかった。

人に対して思いやりの強い子だと思ってた
子さえ、置いた。



…でも必死で理性を保って、
ボロボロにショックを受けて傷ついた心で

無言でアイテムを全て集め歩いて、拾った。


惨めだった。


「あー、楽になった^^今まで重たくって。」


言いだしっぺはそう平気で言った。


高レベルで死ぬことの痛さを辛さを
皆知ってるはずなのに、


なんでこんな心無いことができるの??

相手の心情を思いやる気持ちすらないの??



私はそんな気持ちで一杯だった。


(皆、私が死んだこと、
知ってるんだよね?)


私は信じられない気持ちで
連れにメッセージを送った。

(うん;;)

連れから返事がきた。


私は一人、呆然自失として、
死んで空腹ゲージ0%の状態で、
沢山の重たいアイテムをもたされて帰った。

「お疲れさま〜^^」

皆は私を【笑顔】で見送ってくれた。



「仲間」ってなに?(笑)



一緒にきてた連れは、
アイテムこそ置かなかったものの、

その様子を止めることも、
狩りを中断して、酷くショックを受け、
泣いている、私のフォローをしようとも
してくれなかった。

そのまま何事もなかったように
その後、皆と狩りを続けてた。


「恋人」ってなに?(笑)



・・・・・。


私は直後、そのサークルを抜けた。




私のネトゲのブログには

「日記を休止することと、
このブログ自体を削除するかもしれないこと」


と、
「最後のお礼と挨拶メッセージ」を書き残した。



パソコンの電源を落として、
ボロボロ滝のように出る涙をタオルで拭って、

ベッドに横になり、

冷蔵庫にあった
試食品のお酒を飲んだ。

涙は止まらなかった。



連れに電話してた時、

泣きながら、嗚咽しながら、

笑った。


あはははは…。

あはははは…(⌒▽⌒)



こんなアクション初めて(笑)。
泣きながら笑うなんて(笑)。


「思いやり」って一体なに?w


もちろん、死んだのは私の責任だけどさ。

もう連れさえも信じられなかった。

【サークルのリーダー】としても、
【私の恋人】としても、


彼は私の「ココロ」を救う行動を
してくれなかった。

守ってくれなかった。



もう信じられなくなった。

私の心の扉は深く傷ついたせいで、
閉じてしまった。


連れは

「そっちに行きたい。
側にいてあげたいよ;;」

って言ってくれたけど、

側にいて欲しいとは思わなかった。

返って、「こないで欲しかった」

今もそう思っている。

私は一人でいい。

こんなことなら、「一人」でいい。


リアルの私の命はあるし、
ゲームの私の命も(ゲームだから)戻ったけど、


【 私の心は死んでしまったから。】



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