kakera


微かな kakera 引き合い重なる…偶然か必然か
夢か現か 吉か凶か

2005年11月17日(木) スイーツ・ミニッツ

 きりきりに忙しい!と云うほどではないが、そうのんびりとはしていられない。そんなくらいのお仕事スタンスの日の事。

 隣席の同僚(男性)が外出先から戻り、言った。
 「ところで、桜さん」
 なんでしょう?この脈絡の無い“ところで”は。
 「甘いもの、好き?」
 ええ、好きですよ。主旨も、まあ唐突な事。
 「あっちの部屋に、あとで行ってみて」
 あっちの部屋って、打ち合わせとか、会議に使っているとこ?……はぁ?何故に??
 「ケーキあるから」
 はぁい、行ってきまぁす☆
 「よく味わって、感想聞かせてね」
 え、感想??
 「俺が作ったから」
 …………。すみません、いま、なんとおっしゃいました?
 「俺の手作り」

 くらり、と意識が遠くなった。
 黙っていると、怒っている様な顔つきで、がっちり体型で、食べ物だったら、大皿料理か丼ものがいいという、そんなあなたが作ったと!?

 くらくらしながらも、自席を立ち、ケーキを食べに行く。
 途中、同僚の女性が、「お、ケーキ?いってらっしゃい」という。彼女は既に食べたようだ。

 ケーキを切り分け、紙皿を出している人たちに「おお、来たね〜」と迎えられる。
 チーズケーキだ。結構大きいぞ。直径20cmはある。
 ホールの半分は綺麗な焼き色だが、もう半分はやけに白い。
 「焦げすぎちゃったんだって。少しはがしたの」
 切り分けてくれた人がそう言って、ワタクシに皿を寄越した。
 綺麗な焼き色を、一口。

 「美味しい……」
 うっそー、美味しいよ!!
 さっぱりしっとりのチーズケーキ。もう少し、チーズが濃くてもいいかな。でも、このしっとり感はいいね!!

 しかし、彼は会社に来る前に、他所の会社へ会議に出ていたはず。まさか、ケーキを持って会議に出たわけじゃないだろう。
 ということは、会議に出たあと、一度自宅へ戻ったのか?

 くらり、とまた意識が遠くなった。でも復活。
 ホントにケーキが美味しかったから。


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桜 [MAIL]