引越しの理由


 過去 : 未来 : メール 2006年03月02日(木)


太鼓を初めて二年半になるが私の後に入ったのはたった一人。

唯一の私の後輩であり(笑)年も近いこともあり仲良くしていた。

彼女は関東からお嫁に来てそろそろ15年にもなろうとしている。

私より年下なのにすでに子どもは3人いて、来年は一番上の子が中学入学だ。


背が高いので姿勢をとるのが難しかったり、利き手が左手ということもありなかなか大変だったのだが最近一曲覚えてみんなと揃って打つことができるようになってきた。

だんだん面白くなってきたところだと思う。


その子から電話があった。


「今度の練習で終わりにしたいんです。最後に太鼓をみんなで打つ姿をビデオに撮りたいので協力してもらえませんか?」


え?


何で?


「えーーー?また急な話だね。理由を聞いてもいい?」



まだ一番下のお子さんが小さいから夜練習に出てくるのが大変なのかと思った。


「はい、東京へ引っ越すんです。」



あれ?

旦那さんは地元の役場勤めじゃなかったっけ?


「子どもも一緒に行くので注文した制服もキャンセルしたんです。」





電話を切った。



太鼓当日いつもより早く練習場で逢った私たち。


今日は3人の子ども達を連れてきていた。
初めてのことだ。








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サラリ




聞けば何年も前から旦那さんは近所に住んでいる彼女の親友と浮気をしているそうだ。

心身を病んでしまって彼女はそれ以来心療内科に通っていると言っていた。


そんな時に太鼓の出演を見て

「これだ!」

と思ったらしい。

一番後ろ髪を引かれるのはこの太鼓をやめる事だとも言っていた。




太鼓のメンバーは涙を流しながら話を聞いていた。



でも彼女は晴れ晴れとしていた。




「これからやり直すために子どもたちと頑張ります。」


母は強し。






こうして私は下っ端になりました。^^

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