一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。


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2004年03月27日(土) 第二部  その17


第二部 その17

 
「家で造ってる焼酎とよ、飲まんね?」・・・・・・(キツそう!)

「帰り、車なんで、じゃー1杯だけ・・・」

「カメ」ごと出してきて、そこから湯呑に注いでくれるわけで、今でも憶えてますよ、そりゃー!最高でした、なんて言うか、深い味とでも言うか、キツイけど喉越しが良くて・・・二杯目が早かったのを覚えてます(笑)お爺さんが言うのには・・・
ワシの爺さんの頃からこのカメで、継ぎ足し継ぎ足し、してるからかなり古いとのこと、そりゃー美味いはずです。お母さんが大阪に行く娘のことで言いい始めた・・・、

「子のこの下にまだ四人も学校にいってるから、この子には働いて仕送り、してもらわんとね、父ちゃんが怪我してからサッパリ収入がないとよ・・・爺ちゃんも、婆ちゃんが死んでから体がメッキリ弱くなってね、病院代もない始末でね・・・」

その女の子は、こっちをチラチラ見ながら、忙しそうに台所の片付けをしてた、お母さんが呼んだ・・・「さとこ!さとこ!こっちに来て、座らんね!」

「どう?大阪へ行きたいの・・・」と、私が聞くとさと子ちゃんは黙ってた・・・。

爺さんが・・・「行きたくなかったら行かんでもいいとよ」・・・(なみだ目になっていた)
母さんが・・・「何言うとね!どうやって食べていくとね!」・・・(怒ってる!コワ)


               またこの次







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