海底の自宅(?)で、手足が生えて人間の姿になったポニョが、 宗介のもとへと、海上に躍り出、荒波の上を2本の足でひた走る。。
そのパックに流れている曲がおもしろい。 メロディーは「ポ〜ニョポニョ、、」の変奏なのだが、 音楽はほとんどまるっきりワーグナーの「ワルキューレの騎行」。 試しにまだ映画館に行けてない妻に、サントラ盤のそれを聞かせたら、 数秒も聞かないうちに「ワルキューレじゃん!」と言ったので、 「ワルキューレの騎行」さえ知ってれば、 誰でも同じ連想をするだろうと思われる。 (しかも、聞けば聞くほど、意識して似せてあるのがわかる)
久石さん、遊んでるな、とつい笑ってしまう。 (曲のタイトルが「飛行」となってるのも「騎行」のもじりかも)
「ワルキューレの騎行」を初めて聞いたとき誰もが、かっこいい!と 思うように、この曲もやはりかっこいい曲に仕上がっている。 だから、ワルキューレを知らずにこの映画を観る人は、 ひたすら宗介のもとへ向かうポニョの姿を見ながら、 勇壮な音楽を耳にしていることになる。 それは、ワルキューレを知っていても変わりないだろうが、 ひとたび、これは「ワルキューレの騎行」のパロディーだ、 久石さん遊んでるな、と思うと、 画面の懸命なポニョが、一層けなげで微笑ましく見えてくるのだ。
宮崎アニメの魅力のひとつに、遊び心というのもあると思うが、 音楽面でそれを感じさせられたのは初めてかもしれないなぁ。。
・・・あ、そうそう、そういえば、フジモトがポニョに 汚れた人間の世界に行ってはいけないと言い聞かせていたときに、 「ブリュンヒルデ」と呼ぶので、思わず笑ってしまったんだった。 ポニョの本名は、何とブリュンヒルデ。 ブリュンヒルデは、戦闘的な娘たち(ワルキューレ)の筆頭の娘の名前。。
久石さんがワルキューレの音楽を使ったからその名にしたのか、 宮崎さんの台本にその名があったから音楽でも遊んでみたのか、 偶然の一致なのか、相談する中でまとまったことなのか、 その辺の事情はまったくわからないけれど。。。
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