TENSEI塵語

2008年08月31日(日) 「ポニョの飛行」

海底の自宅(?)で、手足が生えて人間の姿になったポニョが、
宗介のもとへと、海上に躍り出、荒波の上を2本の足でひた走る。。

そのパックに流れている曲がおもしろい。
メロディーは「ポ〜ニョポニョ、、」の変奏なのだが、
音楽はほとんどまるっきりワーグナーの「ワルキューレの騎行」。
試しにまだ映画館に行けてない妻に、サントラ盤のそれを聞かせたら、
数秒も聞かないうちに「ワルキューレじゃん!」と言ったので、
「ワルキューレの騎行」さえ知ってれば、
誰でも同じ連想をするだろうと思われる。
(しかも、聞けば聞くほど、意識して似せてあるのがわかる)

久石さん、遊んでるな、とつい笑ってしまう。
(曲のタイトルが「飛行」となってるのも「騎行」のもじりかも)

「ワルキューレの騎行」を初めて聞いたとき誰もが、かっこいい!と
思うように、この曲もやはりかっこいい曲に仕上がっている。
だから、ワルキューレを知らずにこの映画を観る人は、
ひたすら宗介のもとへ向かうポニョの姿を見ながら、
勇壮な音楽を耳にしていることになる。
それは、ワルキューレを知っていても変わりないだろうが、
ひとたび、これは「ワルキューレの騎行」のパロディーだ、
久石さん遊んでるな、と思うと、
画面の懸命なポニョが、一層けなげで微笑ましく見えてくるのだ。

宮崎アニメの魅力のひとつに、遊び心というのもあると思うが、
音楽面でそれを感じさせられたのは初めてかもしれないなぁ。。


・・・あ、そうそう、そういえば、フジモトがポニョに
汚れた人間の世界に行ってはいけないと言い聞かせていたときに、
「ブリュンヒルデ」と呼ぶので、思わず笑ってしまったんだった。
ポニョの本名は、何とブリュンヒルデ。
ブリュンヒルデは、戦闘的な娘たち(ワルキューレ)の筆頭の娘の名前。。

久石さんがワルキューレの音楽を使ったからその名にしたのか、
宮崎さんの台本にその名があったから音楽でも遊んでみたのか、
偶然の一致なのか、相談する中でまとまったことなのか、
その辺の事情はまったくわからないけれど。。。



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