十何年前に見たのか忘れたけれど、こんな懐かしい映画を見た。
そのころ久石譲の「My Lost City」というアルバムが好きで、 しつこいほど繰り返し聞いていた。 ピアノとストリングス中心の演奏で、情緒たっぷりの曲が多い。
この映画が始まって最初の場面は、主人公の実加が、 乱雑に散らかった部屋のあちこちをひっくり返して探し物をしているが、 その時口ずさんでいる歌がなんか懐かしい印象の親しいメロディー。。。 あまりに途切れ途切れな歌い方だったのですぐにはわからなかったが、 「My Lost City」の中の「Two Of Us」だと気づいて、激しい驚き。
この「Two Of Us」の歌ヴァージョンが映画の中で何度か聞ける。 主に事故死した姉の千津子が高校の演劇部の公演でヒロインとして歌った、 その録音テープから流れるものである。
この音楽と、尾道の町の光景、、、物語の印象は薄かったけれど、 この2つのために、なかなか忘れられない映画のひとつになっていたのだ。
物語という点で言えば、赤川次郎の原作を読んだ時の方が集中できた。 どうも映画の方は、ぼそぼそ喋りが多すぎるし、テンポも緩慢すぎる。
しかし、あの音楽のせいか、尾道という町の情緒のせいか、 あるいはそのやや鬱陶しいぼそぼそ喋りのせいか、 不思議な情緒を湛えた、これはこれで魅力的な印象が拭えないのである。
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