学生時代、まだ暦という意識が希薄だったころは、8月の猛暑の中で、 これが残暑とはどーゆーことなんざんしょ? みたいに不思議だったが、 そういうことを生徒に教えなきゃいけない立場になってからは、 寧ろ、こういう暑さをも「残暑」と表現するところが日本的情緒、と 思わずにはいられなくなっていた。
しかし、今年などは、立秋までそれほど暑さに悩まされていない。 立秋直前から徐々に暑くなって、立秋過ぎてから暑さが本格化し、 きちがいじみた暑さも続いた。 だから今年は特に、どこが「残り」だ?と明確に文句を言いたくなるのだ。 ケーキを100個買って、3人か4人に1個ずつ配って、 残りは私がもらう、、、って、そういうのは「残り」とは言わない。 だから、暦の意味について教えなきゃいけない立場であっても、 やはり8月の暑さを「残暑」などと言ってはいけないのではないかと、 今年はさすがに疑問を抱かずにはいられなくなっていたところである。
そしたら、きょうの本家「天声人語」にはこう書かれていた。
「六月無礼」とは、暑さの盛りには服装が乱れても、大目に見られることをいう。この「六月」は旧暦である。今年は、旧暦と新暦とでは、ひと月半ほど季節がずれるから、「八月無礼」がふさわしいだろう。
夏の盛りの暑さを、暦の上の立秋を基準に「残暑」と呼ぶのはいかがかと、本紙の声欄に投書があった。今年の立秋は8日だった。たしかに、その日から天気予報などで「残暑」と言われても、実感にそぐわない。ここは1票を投じたい気分で、ご意見を拝読した。
夏は暑く、秋は涼しい、と決めつけてしまった観念がいけないのである。 季節を決めたのは(おそらく)太陽の運行、、、というか、 太陽と地球の関係(日の出〜日没の時間)であって、寒暑ではない。 我々の生身の体感からすれば、9月に入ってからの暑さが「残暑」である。 夏休みが終わったのにいい加減にしてくれぃ!というのが「残暑」である。
5月のGWのころのさわやかな晴れを「五月晴れ」と誤用するくらいなら、 まず、この「残暑」という言葉の使い方を変えてもらった方がよい。
ちなみに、この天声人語の続きはこんな話題である。
こうした「正確な表現」に、時々とまどうことがある。たとえばテレビなどが、午前0時を過ぎたとたんに、前の日を「昨夜」「きのう」と言う。だが聞く側にとっては、まだ「きょう」が続いているから、いつのことかと混乱してしまう。
これも、暦と実感のずれだろう。新しい日が始まるには、前の日が終わらなくてはならない。だが宵っ張りはいつも、きょうが終わっていないのに、新しい暦がめくられてしまう。
あるなぁ、これも。。。 午前0時過ぎにニュースを聞いたりして、「昨夜」と言われると、 「え? 昨夜って?」と戸惑って考えなきゃいけないことがある。 ほんの1時間も経っていない前のことを「昨夜」と言うのだ。 「先ほど」とか「1時間前」とか言ってもらえるとありがたいのだが。。。 こんな話は、毎晩9時か10時ごろには意識を失う習慣になっている 橋本氏などには、まったく何のことかわけわからない話なのだろうけど。
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