TENSEI塵語

2007年05月12日(土) 平和憲法は踏みにじられる

国民投票法案の国会審議で、自民党側は、
「最低投票率を設けることは憲法違反だ」と主張しているそうだ。
上智大の憲法学者がこれについて、昨日の朝日の朝刊でこう書いていた。

「憲法解釈上も見過ごせない奇妙な議論がまかり通っている」

恐ろしいのは、どういう経歴の持ち主か定かでない議員たちが、
一般市民・国民の意見だけでなく、専門家の意見にも耳を貸さぬことだ。

憲法に最低投票率のことが明記してないから、
最低投票率を設けるのは憲法違反だという主張は、
憲法の字面にばかりこだわって、その精神を何ら理解できない証拠である。
彼らは長い間、その字面に窮屈で負け犬的な思いを味わい、
その崇高な精神はまったく理解できないでいた。
「最低投票率を設けるべき」という意見は、憲法の精神の理解者の声である。

一方、一医師からの投書もある。
「改憲をめざす内閣というのはおかしいのではないか」
ましてや、首相が会見を推進するなんて、本来は言語道断である。
第99条にこう明記されているではないか。

「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、
 この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」

字面にだけは神経質で、その精神についてはまったく理解できてない彼らは
この条文と、今自分たちがあくせくしてやっていることとの整合性を
どう説明するのだろうか?

憲法を変えやすい法案を強硬に決めてしまい、
さらに、次回の国政選挙の争点にしようとしている自民党、
それを率先して指導して行こうとしている晋三首相ぼっちゃん、、、
彼らはこの条文を知っているのだろうか?
精神にまで至らなくても、書いてある字面だけでも「違憲」じゃないか!!

還暦を迎えた戦後政治は、公私混同の政治である。
お坊ちゃん首相は、国民のことよりも、祖父に忠誠を誓っている。
1億2千万の民よりも、ひとりの祖父の無念を晴らすことに執心している。



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