めんどうだから、ググルって最初にヒットした読売ニュースを引用しよう。
///////////////////////////////////////////////////
政府の教育再生会議第1分科会(学校再生)は9日、都内で会合を開き、 学校現場に競争原理を積極的に導入することで一致した。
公立学校の教員に能力給を導入し、 一定の範囲で給与を増減できるようにする教員給与改革などが柱となる。 具体的な議論を進め、5月に予定される教育再生会議第2次報告に 盛り込む予定だ。
競争原理の導入は、教員間の切磋琢磨(せっさたくま)を促し、 やる気と能力のある教員を厚遇することで 公教育の質の向上を図ることが狙いだ。 今後、一般行政職の地方公務員より教員を給与面で優遇することを定めた 人材確保法の見直しも検討する。
////////////////////////////////////////////////////
本当にバカな人たちでございますな。 現場は協力して指導しようとしているのに、競争原理ですと?!!
実際、新しい工夫をしない教員は多い。 今の学校の同教科の教員にはホントにそれが多い。 イライラしてもどかしい限りだ。 私は、新しい指導法や自主教材がうまく効果を挙げたと思ったら、 それを彼らに紹介して、一緒にこの線でやってみようと呼びかける。 それは生徒のためである。 しかし、再生会議の方針は、そんな風に共有しようと考えるやつを バカなやつにしてしまう。 できるだけ、それは自分の手柄にとどめた方がいいのだ。 それほどのことでなくても、我々はあらゆる場面で教え会う。 生徒の情報、PCの能率的な処理法、生徒の活動についてのノウハウ、、、 しかし、人のためにそんな時間を使い、親切をするのはバカである。 人にはできるだけ失敗させ、能率悪くし、無能のレッテルを貼らせ、 とにかく自分のところが他人よりもうまく行くことが大事だ。 管理職に認められる範囲でうまく立ち回り、 管理職にはわからないところでは利己主義を決め込む。 競争原理とはそういうものだ。
また、管理職の資質によっては、必ずしも 「やる気と能力のある教員を厚遇する」ことになるとは限らない。 実際私は、若いころにこういう事例をいくつも見てきた。 担任をして、悪い生徒も多い中で、活気ある信頼感あるクラスを作ったのに その若手教員が組合員で、職員会議でも正論を述べるのが苦々しくて、 彼に何年も担任をさせず、「お前は子どもだ、何もわかっとらん」みたいに 言っていた教頭を知っている。 「能力」というものを、誰が判定できるのかが疑問である。 実は「やる気も能力も」あるのに、過小評価をされて給料下げられたら、 例えばもしもそれが私だったら、私は言うだろう。 「めんどうな仕事は高給取りがやってくれ」 そして、先週の金曜日の入学式後の、体育館のシート巻きのような仕事も、 協力を依頼されて、腰痛を我慢して協力することもないだろう。 「そういう余計な仕事は高給取りがやればいい」 給与格差を設けるということは、そういう協力心を失わせることでもある。
そういう私も、不適格教員はさっさとクビにしてくれぃ! と思う。 この点では、組合員である私も、いわゆる組合的考えには反対だし、 私が今の学校で組合の会議に出なくなったのも、 こともあろうに、組合員の中に不適格教員が2人もいるからである。 前任校で出なくなったのも、不適格教員が学校委員になってからだった。 仲間として同席するのが恥ずかしくなったからである。
//////////////////////////////////////////////////
学校間や地域間でも競争原理を働かせるため、 〈1〉教育の質の高い学校や、学校選択制を前提に 児童・生徒が多く集まる学校を予算配分で優遇する 〈2〉学校への直接寄付への税制優遇措置を導入する 〈3〉市町村ごとの教育政策を国民に分かりやすく情報提供する 「全国公教育マップ」を作成する――なども検討課題とする。
//////////////////////////////////////////////////
「地域の実態」ということが、この人たちの認識にはまったくない。 古くからの家柄が支配する地域と、新興住宅地では、 子どもの落ち着きもまったく違う。 夜逃げ同然に引っ越してきた母子家庭の集まる地域というのもある。 暴力がすべてだ、と教えられて育つ地域もある。 もともと落ち着いた地域環境の中にある学校は、 それほど教育力を発揮しなくても落ち着いているが、 荒れた地域環境の中にある学校は苦労が絶えない。 必ずしも、教育力だけで計算できる問題ではない。 困難な地域にこそ、多くの教員を配するなど、予算配分が必要なのだ。 これは、義務教育の段階での問題である。
高校となると、こういう学校間競争の問題は、もっと複雑になる。 もう遅いので、これについては後日に回そう。
とにかく、教育再生のためには、現場の協力体制と、 県や国の、惜しみない協力体制が必要なときに、 あんな提言しかできないとは、、、まったく情けない首相である。 短絡的で単細胞の連中の集まりなのだろう。 「競争させれば、勝とうと思ってがんばるぞ」 「給料がたくさんもらえると思えばがんばるぞ」 それだけのことなのだ。 我々はそんな価値観で働いていないが、彼らにはきっとそれしかないのだ。 この上なく浅はかなやつらだ。 こういう提言の賛同者と、それに疑義を唱えた人たちを公表してもらって、 賛同者をさっさと委員から除名しないと、教育は死ぬ。
|