TENSEI塵語

2007年03月25日(日) 白鵬 2度目の優勝

昨日、白鵬優勝について書く予定だったが、延期させられてしまった。
市吹に行く途中、車のラジオで聞いていたら、朝青龍戦に負けてしまい、
13勝2敗で並んでしまったからだ。
しかし、きょうは白鵬優勝について書ける、と信じてはいた。

千秋楽は4時半ごろからのんびり見るつもりでいたが、
うっかり昼寝したら、起きたのが6時。。。
ヤフーの大相撲のサイトで勝敗表を見たら、どちらも13勝のまま
優勝決定戦で白鵬が勝って優勝を決めた、とある。
昨日予想していた(というより願っていた)筋書きのとおりである。
しかし、その決まり手の「はたき込み」というのが気になった。
できればやってほしくない手である。
当たり合って接戦の中での技ならいいけれど。。。

夜のNHKのスポーツニュースを見た。
白鵬vs琴欧州戦は、まわし取りを警戒し合った押しや突きの攻防の末、
白鵬のすくい投げで決まった。これはよし。
続く、朝青龍vs千代大海戦は、何と何と、実に意外な、
朝青龍が立ち会いに変化して、はたき込み。。。
誰もがこれには驚いたことだろう。
朝青龍は、何があってもこれだけはしないと思っていた。
しかも、相手は千代大海である、たいてい勝てるのだ。
絶対に優勝決定戦に持ち込みたい一心か、いや、それだけでなく、
決定戦のために体力を温存しておきたい作戦ではないかと思う。

そして、決定戦もあっさり済んでしまった。
白鵬が立ち会いで変化、はたいた。
朝青龍はさすがにばったりとは倒れなかったが、片手をついてしまった。
朝青龍としては、千代大海戦のバチがあたった感じだ。

朝青龍に対して立ち会いの変化はかなり危険である。
それが通用するような動きの鈍い横綱ではないのだ。
他の力士が試みたのをいくつか見たことがあるが、失敗している。
白鵬が駆け出しだったころ、朝青龍は先輩でもあり師でもあったようだが、
そのころの一戦で、白鵬の変化とはたき込みが通用せず、
すぐに体勢を整えた朝青龍が白鵬を負かしたことがある。
その時、朝青龍はその場に立ったまま、ちゃんと当たって来いよ、と
白鵬を叱り飛ばしていた。
それ以来、白鵬がこういうはたき込みをするのを見たことがない。

白鵬にとっても、これで決まるとは思ってなくて、
体勢を崩させて攻め込む予定だったのだろうと思うが、決まってしまった。
それで、見る者にとっては、拍子抜けの一戦になってしまった。
私も、待望の白鵬の優勝の喜びが半減してしまった。
しかし、当人たちにとっては優勝するとしないとでは雲泥の差があるので、
とにかく今回はもっとも優勝に近い、危険な賭けに出たのだろう。

しかし、こうして、優勝争いのプレッシャーに慣れてもらうのもよい。
白鵬に今一番必要なのは、場慣れ、という要素である。
このところ、すっと、場所の初戦を落としている。
それからちゃんと白星をしっかり並べていくのか実力あるところだが、
優勝のかかる一番になると、また緊張から固くなってしまう。
実力やセンスはあるのだから、あとは精神面であろう。
横綱になるのは、そこを鍛えてからでよい。
実力のせいで、十分に土俵慣れしないうちに大関に昇進してしまったのだ。


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