TENSEI塵語

2007年03月05日(月) モホス文明

穏やかに暖かかった昨日とは対照的に、きょうは雨が降り強い風が吹いた。
特に午後は外で異様な風の音が何度も鳴っているのが聞こえたが、
会議のために校長室にずっと缶詰になっていて、実際はよくわからない。
夜のニュースによれば、風速30キロ以上を記録したところもあり、
各地でさまざまな被害が出たようだ。
今夜はまだ寒いと言うほど冷え込んでいないけれど、
明日から寒くなるのは間違いないようだ。。。

9時からTVでやっていたらしい「アマゾンの古代文明」の番組を、
10時ごろから後半の半分くらいを見た。
アマゾン流域のモホス平原は、雨季と乾季を繰り返し、
雨季には平原が冠水する土地である。

上空から俯瞰すると、平原に広大な地上絵と思われるものが見える。
しかし、平原に降り立ってみると、そんな絵のようなものは見あたらない。
空から見えていた地上絵は、地上に降りると消えてしまうのだ。
しかし、ある学者たちが、その謎を解いた。
幅も高低も何メートル単位で作られた畝がいくつもあるのだ。
畝の上は冠水しない高さになっているのだろう。
この地方には、水を浄化し、自らは茎に養分を貯える水草が生育している。
その水草を畝の間の水で育てては、それを畝の上に播いて肥料としながら
ここで農作をやっていたのだろうと、学者たちは推測している。

大体そんな内容のところから見始めた。

今回クローズアップされていたのは、発掘された人骨である。
「高貴な人」らしい人のDNA鑑定は、かなりの課題を与えているらしいが
その傍らから発掘された「番人」らしき人物の鑑定は驚くべきデータらしい。
頭蓋骨の分析は、日本の東北部の弥生人の頭骨にもっとも近く、
DNA鑑定による塩基の配列は、中国東北部の民族のものにもっとも近い。
つまり、南米で生活していた人々の中に、
この東アジアをルーツとする人がいたらしいという発見である。

私は、大和民族というのは決して島国の単一民族ではなくて、
前史の起源としては、シベリア・朝鮮方面や、中国・モンゴル方面や、
東南アジア方面から、何らかの方法で渡ってきた多様な民族の、
そう単純には割り切れない混血雑種の民族だと思っているが、
世間ではそれをもっと広く、オセアニアや南米までもひっくるめた、
広大な円環の中でとらえる見方もあるようだ。
私は今まで、そうまで広い範囲でとらえていいものかどうか疑問だったが、
そういう意味ではたいへん興味深い番組であった。

興味が湧いたのでこんなサイトも読んでみた。


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