きょうは愛知県知事選の投票日である。 私は県外の住人なので、残念ながら投票権はない。 しかし、私も妻も愛知県の職員なので、無関心ではいられない。
愛知県知事選は、もう何期もに渡って、 共産党以外の与野党相乗り推薦の候補者と、 共産党と革新県政の会が推す候補者との、勝負にならない勝負をしてきた。 相撲で言えば、横綱と中学生、野球で言えばプロとリトルリーグが 闘うようなものだが、そんな勝ち目のない闘いでも、 「革新県政の会」は、県民に訴えるために、問題を投げかけるために、 候補者を立てて、主張してきたのだと思う。 しかし、勝負の明らかな選挙が長年続いたので、関心は下がる一方で、 前回の選挙でも投票率40%以下だったはずである。 こんな風にしてしまったのは、旧民社党、現民主党の責任が大きい。
今回は、久々に民主党が独自候補を立てて、、、いや、むしろ、 犬山の石田市長が、その教育政策を県全体にも広げたいと考えたらしく、 知事選に出馬を表明したところへ飛びついたのだろうけれど、 久々に二大政党の対決の様相をとり、白熱するはずだった。 しかし、投票率は辛うじて過半数の52%、、、情けない数字である。 神田氏が当選したといっても、得票数は過半数行っていないから、 実質的には、県民の4分の1からしか直接支持されていないというわけだ。
NHKの出口調査の報告を見て思ったこと。。。
その1。 年代別の投票状況を見ると、 20代から50代までは、石田氏への投票がわずかながら多いか過半数。 しかし、60代は神田氏が過半数となり、 70代以上になると、7割以上が神田氏に投票している。 戦中派の爺婆が投票所に通う限り世の中は変わらないものと見える。 私自身も若いころよく父から、 「自民党に入れておけば間違いはない」と聞かされたものだ。
その2。 無党派層を見ると、石田氏が過半数である。 無党派層がもっと選挙に行けば、過半数で済んでいたとは思われない。 無党派層の多くが、無関心層・無責任層であるのが残念だ。
その3。 神田氏に投票した人の60%以上が「実績」を評価したそうだ。 神田氏自身も、愛知万博の成功・中部国際空港の建設を目玉にして、 愛知県は元気になった、と自らの「実績」を訴えたそうだ。 しかし、こんな「実績」もあるそうだ(橋本BBSから引用)
////////////////////////////////////////////// 愛知県は景気が良い、失業率も低いということですが、 私たちの暮らしの実態はどうでしょうか。
県民の年間所得はこの10年間で平均37万円も減っています。 万博や国際空港、徳山ダムなどの大型公共事業に税金を注ぎ込み、 県民一人当たりの借金はこの10年間で34万円から54万円に拡大しました。
県民へサービスはどうか。 人口一人当たりの民生費は愛知県はなんと全国40位です。 具体的に言うと、
社会福祉費ーー38位 老人福祉費ーー37位 自動福祉費ーー36位 教育費ーー42位 衛生費ーー45位 老人福祉ホームの定員数44位 高校進学率ーー47位(最下位)
愛知県の財政力は東京都についで全国第二位。 国から援助を受けていない唯一の県ですが、 その財政力は県民の幸せのために使われてはいません。 全国のゼネコンのドル箱になっているだけです。 ////////////////////////////////////////////////////
彼がどこからこういう資料を得たのかは知らない。 しかし、華やかな王朝文化の陰につらい庶民生活があったように、 華やかな大プロジェクトの陰に悲惨な庶民生活があるのは、 歴史が教える道理である。 神田氏が「愛知は元気になった」と笑顔で訴えているのも、 県全体のさまざまな事象のほんの一部分的な事象でしかない。 教育現場などは、相変わらず悲惨なまま、、、というか、 ますます深刻な問題が増しているばかりである。
私自身はそれほど石田氏に信頼を置いているわけではない。 前任校で、吹奏楽部が犬山市の身障者の会の行事に呼ばれた折りに、 石田氏と言葉を交わしたことが2〜3度ある。 話の上手さに感心したし、そういう行事に挨拶だけで帰るのでなく、 最後までつき合って、子どもたちとも話しているのにも感心した。 彼が行った犬山市の教育行政の噂を聞いても感心した。 そういう評価もできるけれど、全面的に信頼できるかどうかになると、 まだまだ資料が乏しい。 しかし、今回は、石田知事誕生を願っていた。 とにもかくにも、小・中学校の教育条件を改善してほしい、というのが 私の教育政策関係の第一の願いである。 それに、自民党系の知事ほどには、福祉面を無視しないだろうという期待。 神田体制では、何も変わらない。
爺婆たちは、それでいいのだよ、と言って大挙して神田体制を守った。 その責任をどう取ってくれるのだろうか? 社会を、これから過ごす子どもたちや若者のために 長〜〜〜い目で考えるのが我々の義務なのに。。。
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