TENSEI塵語

2006年12月02日(土) 映画「ダ・ヴィンチ・コード」

ロードショーには行きそびれて見ずじまいだったが、
DVDが発売日に届いていて、昨夜やっとこの映画を見た。
封切られた映画より25分長いヴァージョンらしく、3時間かかるので、
なかなかそれだけの時間を割く勇気がなかったのだ。

私にとってはたいへんおもしろい映画だった。
夢中で読んだ小説ではあるけれど、読みながら、
豊富な挿し絵だの写真がほしいといつも思っていた。
映画はそういうものを常に視覚的に提供してくれつつ物語が進む。
そういう物か、、、そういう場所か、、と明らかにしてくれる上、
セリフのやりとりの中で、一昨年の7月18日から21日にかけて、
小説を夢中で読みながら書きとめたことを、きわめて簡潔に要約してくれる。
視覚的な確認になるとともに、知識のおさらいにもなるのだ。
そうして、内容を知っていても、一応映画の展開としてのスリルも、
少なからず感じることはできるし。。。

しかし、原作を読んでない人、キリスト教には関心のない人、
ましてや、イエスが神か人か、などという問題に関わったことのない人が、
いきなりこの映画を見ても、わからない部分が多くて、
おもしろくないだろうな、、と思う。

原作では、殺人容疑をかけられているラングドンと
それを助け協力するソフィーの逃亡劇と謎解きの旅という要素に、
シオン修道会が守り続けてきた聖杯の解明という要素が加わって、
全編まったく隙のない緊迫感に満ちた推理サスペンス作品になっている。
原作では、イエスとマグダラのマリアの関係、
キリスト教公認の経緯と、ニケーア公会議でのイエスは神とする決議、
その後の聖杯伝説をめぐる闘いや、シオン修道会の秘められた歴史が
非常にわかりやすく説明されている。
しかし、映画ではあまり冗長な説明は好まれないので、
必要最小限の説明が、短いセリフのやりとりで進められる。
いきなりこの映画を見て、このセリフのやりとりにつまづいてしまったら、
もうこの映画はおもしろみを失ってしまうだろう。

原作を読んでいて物語を知っていたら、緊迫感はかなり緩和されてしまうし、
原作を読まずにいきなり映画を見たら、理解に苦しむだろうし、、、
ロードショー封切りのころのこの映画に対する不評はもっともなことだ。
映画作りは難しいものだ。
私は、この作品が視覚的な世界になったことを大いに歓迎するが。。。
「デセプション・ポイント」も早く映画化してほしいものだ。
この作品もとりわけ具体的な映像がほしいものだ(去年の6月30日参照)


ちなみに、この初回限定BOX には、ラングドンの手帳の複製と、
クリプテックスのやや小さめの模型がおまけで付いていた。
おお、これは、現在のダイヤル式の錠前の元祖ではないか。
中に秘密文書を封入できるとは、何というロマンあるアイテムではないか。
さっそく、このおまけのクリプテックスの暗号はわかって開けることが
できたが、中から出てきた懸賞の暗号問題は、さっぱりわからーん(>_<)


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