TENSEI塵語

2006年10月12日(木) 北朝鮮とアメリカ

国連安保理では、北朝鮮への制裁をどの程度厳しいものにするかで、
かなり緊迫したせめぎ合いがこれからあるようだ。
すでに日本は独自に明後日から北朝鮮の船舶入港禁止にするそうで、
直接の輸出入(中国経由というのもあるそうだ)をストップするそうだ。
私のような素人の庶民から見ると、こういう意味での制裁で、
一番苦しむのはいったい誰なんだろうと思ってしまうのだが。。。
北朝鮮の政治的指導者層が、底辺の庶民のことをどれだけ考えているか、
まぁ、日本でもそう考えてないんだから、ほとんど期待できない。
また、北朝鮮への制裁のはずが、日本の業者にも打撃となる例もある。
そんなことを懸命に議論している国会等の様子を見て、
何か寒々とした思いにもなるのだが、さらに国会の様子の中で、
安保理の制裁決議案に盛り込まれる「臨検」(船舶検査)なるものの
「周辺事情」解釈の辻褄合わせを首相や防衛庁長官が熱弁しているのを見て
不安がいっそう募ってきた。

私が見ていたのはニュースステーションだが(10時台はそれだけ)、
安保理の審議とは別に、並行していくつかの会談が組まれており、
そうした会談の成り行き如何では、
明後日あたり中国かロシアの誰それが北朝鮮に向かうという可能性も
生まれるかもしれないという見方もあるようだ。
とにかく、平和推進国であるべき日本があまりカッカしてはいけないと
思うのだが、もっともカッカカッカしているようで不安だ。


昨日、橋本さんと昼食しながら北朝鮮の話もしたのだが、
その時の彼の見解が非常に興味深く、なるほど〜と思わせるものだったので、
新聞記事やサイトの記事を読むときにも、
彼の見解を裏づけるような資料がないかと思ったのだが、見つからなかった。
そんなことどこにも書いてないぞーー、とメールしておいたら、
彼のBBSに昨日の話をさらに順序立てて書いておいてくれた。
新聞やTVでは報道されない情報も総合しての見解なのだそうである。
BBSのカキコはどんどん奥に送られてしまうから、
きょうのうちにここにメモ(コピペ)しておこう。


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      北朝鮮とアメリカの国際戦略

北朝鮮を理解するには、戦前の日本を思い浮かべてみればよいと思います。
戦前の日本は軍部が天皇を傀儡にして、威張っていました。そして、
軍部が暴走して、15年戦争に突入しました。

その直接の原因は、アメリカをはじめとする列強の経済封鎖でした。
石油をとめられたら、もうおしまいだと思い詰めて、
最後は海軍まで同調して、無謀な戦争に突入したのです。
これによって、300万に以上の日本人の命が奪われ、
2000万人以上のアジアの人々の命が奪われました。

現在の、北朝鮮も、国を実質支配しているのは軍部です。
金正日総書記はその傀儡だと考えていいでしょう。
もちろん軍部も完全に一枚岩ではありません。
金正日も軍の一部に影響を持っていますが、
その基盤はそれほど確固としたものではないようです。

複数の消息筋の話では、
金正日の義弟、張成沢(チャン・ソンテク)労働党中央委第1副部長が
9月末に平壌市内で交通事故にあい重傷を負っています。
張成沢は金正日や北朝鮮に改革解放政策を導入しようとしている金正日や
北朝鮮政治経済の中共政治経済への一体化を進める
中共の胡錦濤に近い人物だといわれていました。

したがってこの事件は、「金正日や胡錦濤の反対勢力
(北朝鮮軍部やそのバックにいる中共の人民解放軍や長老)が仕掛けた陰謀」か脅しだという説が有力です。

同様の事故が、金正日の身辺で続発しています。
金正日自身が列車爆破事件であやうく暗殺されようとしています。
これらは解放政策に反対する軍部の保守派のしわざでしょう。
「金正日の最大の敵は、ブッシュではなく北朝鮮軍部だ」
といわれるゆえんです。
今回の核実験も、軍部の「暴走」とみたほうがいいと思います。

なお、アメリカはこうした北朝鮮の現状を正確に把握していると思われます。
そしてその立場は、金正日を追いつめることです。
つまり、北朝鮮の解放政策の邪魔をすることです。
アメリカはこの意味で、
実は、北朝鮮の保守的な軍部を応援しているわけです。
構図からいくと次のようになります。

 (!)アメリカ−中共解放軍−北朝鮮軍部(軍部独裁)
 (2)胡錦濤−金正日(改革解放)

韓国の政権は(2)を支持してきました。、
また、小泉首相も(2)の路線で走り出したのですが、
アメリカのブッシュに叱られて路線転換しました。
阿倍政権は(1)の路線を踏襲することになるでしょう。

アメリカや中共の保守勢力が改革解放路線を歓迎しないのは、
北朝鮮を軍事独裁国家として存続させたいからです。これによって、
アメリカはアジアにおける軍事プレゼンスを保つことが出来ます。

北朝鮮が軍事独裁国家としてがんばってくれれば、
在日米軍基地も存続できますし、
日本という経済大国をこれによって支配もできるのです。
つまり、アメリカの世界覇権主義にとって北朝鮮は
なかなかうまみのある「切り札」なのです。
こうしたアメリカの世界戦略の罠におちているのが
日本の政治家や国民なのだと思います。
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さらに、

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10月9日(月)に北朝鮮が核実験を発表してから、
世の中が大騒ぎをしています。
日本政府も北朝鮮にたいする制裁措置を早々と講じました。
安保理でも制裁決議が裁決されようとしています。
新聞を読むと、「狂気の金正日」などという文字が踊っています。

しかし、こうしたときこそ、腰を落ち着けて、
もうすこし広い視野から事件の本質を冷静に捉えてみる必要があります。
核実験をした北朝鮮は非難されて当然ですが、
なぜ、この時期にこうしたことが強行されたのか、
その行動の原因を考えるべきでしょう。

私はその背景に、北朝鮮の軍事独裁体制を温存させようという
アメリカ産軍複合体の強固な世界戦略があると考えています。
したがって、北朝鮮の行動に反発し、これを暴挙として非難し、
ただ制裁を講じることで、北朝鮮問題は解決しないと思っています。

何故、日本が戦争に突入したのかといえば、
戦争で得をすると思った人たちがいたからでしょう。
出世のチャンスがある職業軍人たち。
それから軍需景気を待ち望む財閥。
そして戦争に勝てば貧乏から抜け出せると考えた大多数の国民です。
こうした目先の欲につられると、
人は誰でも大きな見地から物がみえなくなるのだと思います。

現在の北朝鮮では軍部が特権階級です。
この特権を手放さないためには、
なんとしても改革解放政策は阻止しなければならない。
そのために軍事的緊張をつくりださなければならないのわけです。
そして、これはアメリカの産軍複合体の利害にも一致しています。

ゴールドマンサックス証券は10月11付けのレポートで、
「核実験実施により、安部首相の改憲構想に追い風」として、
「防衛予算の拡大の恩恵を受ける」として三菱重工を買い推奨しているそうです。
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