| 2006年03月06日(月) |
「コープスブライド」 |
「シザーハンズ」ではそれほど大きな感銘を受けなかったものの、 「チョコレート工場」でティム・バートンとジョニー・デップのコンビが 気に入ったので、この映画も見てみることにした。 ただし、これは人形劇というかパペットアニメーションというか、 人形の動きを一コマずつ撮って構成したアニメーションなので、 ジョニー・デップは主役の声優である(実は見るまでよくわかってなかった)
まったく面識のないビクターとビクトリアが結婚式を迎えるのは、 その両親たちが財産や身分を手に入れようとしているためだが、 実はビクトリアの家は没落貴族で、もうほとんど文無し状態である。 魚屋の成金であるビクターの両親はそれを知らずに、 結婚が成立すれば、自分たちも貴族の仲間入りができると思っている。 そんな親たちの思惑とは別に、結婚式のリハーサル前に対面した2人は、 すぐに互いの心を感じ、愛し合う。 ところが、リハーサルで失敗したビクターは、それを悔いて練習するうち、 花嫁姿で死んだ娘の、土中から出た手に結婚指輪を嵌めて誓いの言葉を言う。 そのために、コープスブライドと強引に結婚するはめになる。。。 まぁ、ざっとこんな風に物語が進展して行くわけだ。
特筆すべきは、生者の世界と死者の世界の描き方である。 見始めたとき、画面の色彩がひどく渋いのにまず驚いた。 青っぽいような、実に地味で渋いモノトーンのような色調である。 死者の世界を描くからこんな色調なのかな、と思いつつ見ていた。 ところが、死者の世界に入ったら、華やかなカラーに変わったのだ。 音楽も軽快で陽気なジャズが多くなり、ダンスやパフォーマンスに満ちる。 こちらでは、ほとんどのキャラが陽気である。
そんな点に興味を持って、見終わってから特典映像をいくつか見てみたら、 やはりその点は大いにこだわったところらしい。 生者の世界は、ビクトリア時代の閉鎖的で格式ばかりを重んじる世界、 死者の世界は、そこからの解放、というイメージで取り組んだようだ。 ビクトリアの母親は、結婚と愛は別のものだと言い、娘の自由を許さず、 グランドピアノを飾りながら、音楽さえも娘に許さない。 そう、、この映画の生者の世界では、生者は人間としては死んでいるのだ。 寧ろ、そこから解放された死者の世界で、骸骨たちが人間味溢れている。 ビクターはビクトリアへの思いも捨てられない一方で、 そんな死者の世界にも心惹かれて行く。
コープスブライドとビクターが結婚するためには、 ビクターも、毒入りワインを飲んで死者にならなければならない。 ビクトリアが他の男と結婚せねばならなくなったことを知ったビクターは、 それを承諾する。 しかし、コープスブライドの心に残っていた命への思いが、 ビクターを死なせることを拒否し、ビクターとビクトリアを結びつける。 ラストシーンは、コープスブライドが花びらとなって天に昇っていく。 実に美しいラストシーンである。
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