雑記帳
日々の感慨、経験、その他をつらつらと

2003年03月30日(日) ツグミを食いました

ええっと、一昨日のことですが、鳥の解剖を見学させてもらえました。白状すると見学どころか色々やらせてもらえて貴重な経験でした。忘れない内に書きます。
解剖と聞いただけで鳥肌が立つ、というような方にはオススメしませんが、別にグロくはないのでご安心を。

で、ツグミです。ヒヨドリくらいの大きさの、みどりがかったやつ。
多少臭いはしますけど、大したことはありませんでした。大体スーパーの魚売り場の2倍ほど(根拠無し)。臭いの種類は違うけどね。その後の飲み会で先生が吸ってた煙草の方がよっぽど服に染み付いてた。恐るべし煙草。
手順としては、まずは種名や雌雄の同定、クチバシの長さや翼長・尾長・各種風切羽の枚数などを測定。
そして腹側からヒフを切って皮をていねいに外し、脚と翼の骨を切り離し、喉も切り、肋骨を切って、背骨はヒフに残して内臓摘出。
ヒフ側はモモとかの筋肉をがんばって取り、灰をまぶし(乾燥のため)、綿を詰めて仮剥製に。
内臓は各臓器をよく観察。
・・・ってことなんですが、そう上手くはいかないよ。初めてだしさ。
普通、こういうのって目的別に優先順位を決めるらしくて。例えば、仮剥製にしたいなら、羽をキレイに残すために内臓よりは皮膚を優先させるとか。食性を調べるときは何よりも胃やそのうを優先させるとか。
今回はただ鳥の勉強のための実習だったようで、特に優先順位はなく。
そこへ先生が通りかかって、「おっツグミじゃん。うまそー!」などとのたまったために、食用の胸肉が優先となったのでした。
いいのか。・・・多分いいんです。
ヒフの方は見てるだけだったのでなんとも言えません。ただ、ていねいにやればホントに「剥がす」ことができると目の当たりにしたのは新鮮でした。外胚葉と中胚葉で発生段階から分かれてるせいかなぁなど乏しい知識を元に勝手に想像。
そして骨についてる筋肉とかを取るのがエライ大変だと実感しました。カラスの翼(だけ)を持参した人がいて、黒い羽の美しさに感動し(間近に見たのは初めてだったんだよ)、標本作りを手伝わせてもらったんですが。鶏の手羽中にあたる肉を取るだけなのに大変めんどい。平たいピンセットじゃすべる。メスでもなかなか切れない。あぁ、猫の舌のようなザラザラが指先にほしいと思ったのでした。
ともかく、先生(ツグミを食うとのたまった人とは別の方)に手伝ってもらったりしてなんとか内臓摘出。胸肉をゲット、冷蔵庫へ(ホントに食うんだよ、驚いたけど)。
内臓の方は、呼吸器系(肺、気管、心臓など)と消化器系(前胃、胃、砂嚢、それらの内容物、肝臓、精巣か卵巣、盲腸など)と系統立てて見ろ、ということなんですが、なかなか難しい。
特に肺と生殖器は、どうも背骨と一緒に切り離してしまったらしく、何がなにやら。鳥の骨格やってる院生さんが来たので、彼の解説にたよることに。
砂嚢を半分切ってみると、中から砂やら木の実やらがごっそり出現。さすが鳥(意味不明)。ちなみに砂嚢はとても丈夫に出来ていて、外袋(?)と中袋にあっさりはがれます。中袋はゴムみたいでしわしわの溝がたくさん。
そして私、盲腸と小腸の区別が付かず、盲腸の入り口切ってしまいました。すいません。
・・・いや白状すると、内臓に入ってからはメインの学生さん(男性)が引き気味で、私がメスを持ってちょっかい出すことも多かったり。(私が興味津々だったので学生さんが引いてたってことでは、多分おそらく、ないはず、です。)
さてこれからスケッチ、のはずのところ、力つきてきた私は砂嚢の内側と適当な全体図を描いてお茶をにごしました。すいません。でも全部ていねいに描こうと思ったら1時間じゃ済みません、あれは。さすがに顔近づけると臭いが強いし、しんどいです。

となりで、骨格標本やってる院生さんが、中国原産のきれいな小鳥(名前忘れた!)の仮剥製を頼まれてつくってて、器用な手つきに感心。
頭蓋まで皮をむいて、頭蓋をていねいに割り外し、脳の摘出までやってたんですから。頭蓋は見事に元に戻ってました。脳が意外に大きかったです・・・頭がいいわけだなぁ。

そして片づけ後、まるで当然のように飲み会。
そこで思い出したようにツグミの胸肉を皆さんで試食。
レバーに似て血っぽいけど、くどくなく、それでいて味が濃いめ。おつまみに最適かと。おいしかったです。
ツグミを普通に食用にしてるっていう地方はどこだったっけ・・・忘れちゃった。


言い忘れたけど、午前中から近くの児童館の子ども達が先生と炭焼きに来ていて、ちょっと手伝いました。
斜面を選んで、横1m×縦2m×深さ最大1mくらいの穴を掘り、竹やら桜やらを並べて土を被せて蒸し焼きにするということで。穴掘りの人足にかりだされたわけです。髪をまとめ、白衣を着用しながら、ゴム長はいてスコップを持つという、我ながらやや怪しげなる出で立ちで。
来てたのは小学校3,4年生が7,8人かな。可愛かった。子どもらしいわけわかんないアホな言動も、なんだか懐かしくてかわいい。共同作業してるとごく自然に(ちょっぴり)なつくし。
・・・ただ、私のことは「白衣でゴム長はいた手伝いの女」として認識されていたらしく。お昼に普通の格好、すなわち黒カーディガンに革靴で髪は下ろすという格好で様子を見に来たら、男の子にロコツに「誰?」と訊かれてしまいました。遠慮会釈もありません。さすががきんちょです。
帰って弟にそう言ったところ、「そう、普通に訊くよね。身長の差とかもあって、顔でおぼえてないんだよ」との答え。そうかぁ。
・・・念のため言うと、化粧を直して登場したわけでもないです。ホントに。


(2003/4/7)
*言い訳がましく付け加えると、解剖したツグミはもとは野鳥で死んでから数週間冷蔵庫で保存されてたやつだそうです。出所はいまいち不明で、そういえば学術標本のためのラベルも作ってません(不器用っぷりはさておいても)。どうやって死んだのかも不明。
それにしても、ここ数日動物実験についてのサイトをいくつか眺めてたんだけど、犬猫ばかりで、鳥やラット・マウスの実験の悲惨さを具体例を挙げて訴えたところは見あたらないし、いわんや両生類や無脊椎動物をや。
・・・まぁ、いいんですけど。当たり前だし。
私は意地悪なので「動物の権利」とかあっさり言われるとつい、そうだマラリア病原虫にも生存権を認めろ、とか口走ってしまいそうなんです。


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