西日が差したら枇杷の実を食べよう
index|past|will
| 2001年07月11日(水) |
殺人者と聖人。コミックと宗教書。ホントはどっち!?『処刑人』 |
そうなの、『処刑人』なのよ、『処刑人』。
このビデオを見てから、もう時間がたってしまったのだけれど、 一応、何か書いとかなくっちゃな、 不思議とそう思わせる映画。
『ロックストックトゥースモーキングバレルズ』の亜流っぽい 印象もあるし、 シナリオもわかりにくいし、 映像は確かにカッコいいんだけど、妙に薄っぺらい雰囲気もあるし…。
と、ツッコミどころは少なくないんだけど、 「冷たく切り捨てるわけには、いかないわっ」、 と、なぜかザラザラと心にひっかかってくる…。
とにかく、まぁ、 そんな一本なんです、旦那っ。(旦那って誰だ!?)
とりあえず、ウィレム・デフォーの怪演! 見なくちゃ、いけません、旦那(だから、誰…)。
処刑人兄弟のシンメトリーの、かっちょいい映像!。 見なくちゃ、いけません、お嬢さんっ。 お揃いの、ピーコート&ジーンズ姿がもう、モデルみたいでカッコいいのよ…、 って、モデルさんなのか…、あの二人。
わたくし、個人的には、 兄弟+もう一人の仲間の3人が、お互いに負傷した腕や手や足を消毒するため、 順番にアイロンを「じゅぅぅぅぅ!」と患部に押しつけあうシーンが好きでしたね。
アイロンをあてられる方は、痛みで声が出ないように、さるぐつわをされて、 なおかつ、動けないように、腕や手を後の二人に羽交い締めされてるの。
ああ、それでも、苦痛にゆがむ顔。 私にとっては、たまらないサービスショット。 やっぱ、私、歪んでるのかなぁ・・・・。
とまぁ、そんなことは、ホントはどうでもよくて、 この映画のすごいところは、やっぱり、テーマというか、 描こうとしている世界の難易度の高さでしょう。
「人間は神にかわって悪を裁くことができるのか」 「法に従うことと、善であることは、はたして両立しているのか」 「宗教って何?」
そんな風な、決して答えなんて出しきれない、 ある意味、宗教的、哲学的な問題に、めちゃくちゃライトで、 コミック的なアプローチをしているんですね、この映画は。
そんな、アンバランス感が、何かこう、新鮮だったわけです。 あまりにアンバランスすぎて、 うまく消化しきれなかったのかもしれないけど。
最後に。 あの兄弟、どっちが好き?と聞かれたら、私はもちろん「兄派」です。
|