西日が差したら枇杷の実を食べよう
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2001年04月20日(金) 冷蔵庫には常備菜。寂しい夜には『未来は今』。

※昨日のつづき。
せっかくの「ギャラガー気分」だったのに、
『TATARI』がレンタル中で借りられなかったため、
冷蔵庫の中の常備菜のように、いつも、
家の本棚にストックしてある『未来は今』を、
ピンチヒッターとして取り出し、チラチラとみた。

もちろん、最初にチェックしたのは、
クリスマスパーティーで、
ギャラガーが歌うシーンであったことはいうまでもない。

まるで、『ウェディングシーン』でブシェミが演じた、
酔っぱらいの兄ちゃんを思わせる登場の仕方で
白いタキシード姿で歌うギャラガー。
ピンクシャンパンのような、甘い歌声。
そう、ギャラガー、歌だってうまいのだ。

ちなみに、この映画のギャラガー、
ビートニクバーのマスター役で出てるブシェミと同じく、
ワンシーンだけのカメオ出演。
でも濃い・・・。カメオなのに。あ、カメオだからこそ濃いのか!?。

なにはともあれ、そんな風においしいオカズがいっぱいの、
『未来は今』b〜y コーエンブラザーズ。
ブシェミとギャラガーのあしらい方一つとってみても、
なかなか気のきいた、そして手の込んだチャーミングな一本である。

舞台劇を思わせる密度の濃いセリフと、こりゃ、きっと
フレームの端から端まで手を抜いていないだろう思わせる、
隙のない画面構成。
シニカルでありながら、ハートウォーミングな語りくち。
脳味噌の基礎体力ありそうな、知的なボケ。

『ファーゴ』や『バートンフィンク』はもちろん佳作だけど、
ちょっと精神的に疲れた夜、一人でおうちで、ぼーっと見るには、
コッチもなかなか、おすすめかもしれない。

もしかして、ティム・ロビンスのキューピーさんみたいな、
テカテカしたオデコに、癒される人もいるかもしれないしな。
私は違うけど。


otozie |MAIL