
『日弁連 人権侵犯申立事件 警告・勧告・要望例集』1992年10月28日朝鮮高級学校の高体連加盟問題に関する人権救済申立事件(勧告・要望)より
日本国政府は、一九五二年サンフランシスコ講和条約締結まで在日朝鮮人(現在の大韓民国籍者を含む)については日本の公立又は私立学校において就学するものとしており・・・ところが政府はサンフランシスコ講和条約の締結により、一転して在日する韓国・朝鮮・中国・台湾出身者について、日本国の各公立学校に就学する権利と義務が無くなったと判断する一方において、これに対応する教育について何らの処置もなく、基本方針も持たなかったので・・・各外国人学校が学校として認可を受けるにしても・・・その所轄は各都道府県知事であるとして現在に至っている。・・・
国際連合憲章、世界人権宣言、国際連合の二つの人権規約及び日本国憲法に則り、文部省には以下の義務がある。・・・民族教育を実施するために設置した朝鮮高級学校について、公私立の法人が、学校教育法第一条に該当する学校及びその生徒に比較して、一切の差別的取扱いをなしたりまたはなす恐れがある場合、文部省は、それを排除する処置をとることにより、この分野における内外人平等を実現すべき義務がある。・・・文部省の現在に至るまでの政策は、前記の国連憲章と各国際法規による義務に違反し、教育の本旨に反し、日本国の教育としても好ましからざる影響を生じさせているものと言わざるを得ない。・・・政府の政策において改善されれば自ずから申立の目的は達成されるものである。
よって文部省に対しては、別紙のとおり勧告することが相当であると判断する。