たりたの日記
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奈良を歩くのは三度目ということになる。 一度目は、おきまりの中学校の修学旅行で。何も覚えていないと言っても良いくらいだが、鹿に餌をやっている写真があったことで奈良に行ったのだということが辛うじて分かるといったお粗末さ。 二度目は高校3年生の3月、奈良女の受験の後、いっしょに受験したクラスメートの親戚の人が、石舞台古墳のある飛鳥や天理市を案内してくれた。その清々しい風景や独特の町の空気はとても印象深く、受験はみごとに失敗したものの、あの受験旅行は思いがけず良い旅だった。
さて、今回はそれから40年近くも経て、夫と二人の旅。 宮崎の帰省の帰りに次男のいる大阪に立ち寄るついでに奈良を歩いてみようと夫を誘った。 奈良への憧れのようなものはあった。百人一首に出てくる奈良の都、折口信夫の「死者の書」に出てくる奈良の里。できれば、あの小説に出てくる山々に登ってみたいが、それだけの時間も体力もないので、せめて世界遺産に指定されているところを訪ねることにした。
4日の夕方に奈良に着いたので、まずは興福寺から東大寺へ。夕焼けに五重塔のシルエット・・・良く写真でみかける風景なのだが深く内に入り込んでくるような印象深い風景だった。
5日の朝、電車で奈良駅から法隆寺駅まで行き、そこから20分ほど歩き、法隆寺と中宮寺を訪ねる。 法隆寺のすっとした立ち姿の美しい救世観音、中宮寺の微笑の美しい菩薩半跏像に出会うことができてよかった。写真では伝わってこない、エネルギーというものがある。異なる仏像からは異なるエネルギーが届き、仏像によってその強さも違うように感じた。
午後、薬師寺と唐招提寺を回るが、夫もわたしも、この唐招提寺の境内が最も気に入った。この木々も池も建物も、その空間そのものが瞑想的な感じがあった。唐招提寺の金堂は奈良時代建立の寺院金堂では現存唯一のものだからだろうか、あるいは鑑真和上が戒律の道場として開いた寺だからだろうか、時間を経ても損なわれることのないスピリチュアルな空気を感じたことだった。
6日の午前中は東大寺ミュージアムと東大寺の大仏殿、二月堂と回る。 修学旅行で見たはずなのだが、目で見ても心では見ていなかったのだろう。 初めて目にする感動があった。 大仏、仁王像、日光菩薩、月光菩薩、どれも素晴らしかった。







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