たりたの日記
DiaryINDEXpastwill


2012年09月15日(土) Git Saint-Jacques 巡礼宿 サン・ジャック

  
この町のルネッサンスフェアを観るために、巡礼路を歩きはじめる前にル・ピュイには2泊した。一泊目は町の中央あるルピュイ大聖堂近く(28 rue Cardinal de Polignac)にあるLes Amis De Saint-Jacques という巡礼者宿泊施設に宿泊した。

この後、ホテル、ゲストハウス、民宿といろいろなタイプのGite(ジットという巡礼者のための宿)に泊まったが、このジットのスタッフの人たちがとてもフレンドリーだったのでとりわけ印象深かった。
こうした巡礼宿では、まずクリデンシャルと呼ばれる巡礼者の身分証のようなものを提示しなくてはならない。その手帳に宿のスタンプを押してくれるのだが、わたしが「日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会」から発行してもらったクリデンシャルを出すと、美しい!珍しい!初めて見た!とスタッフの人たちが寄ってきて、iPadでその写真を撮り始めた。こういうりリアクションにも彼らの巡礼宿のスタッフとしての心意気を感じた。


ベッドは40ほどあるようで、それぞれのベッドは薄い木の板とカーテンで仕切られていて小さな机まで置いてあった。宿泊場はいくつかののフロアーに分かれているが、男女の区別はない。
ザックやウォーキングシューズ、ポールなどは部屋には持ちこめず、部屋の外に置き、必要なものだけ、ネットのかごに入れて部屋に持って行くというシステムだった。これはベッドを虫から守る手段のようで、他のジットでもいろいろな工夫がされていた。
シャワー、トイレは共有で、洗濯をする場と干す場があるのもこうしたジットの特徴だ。この後、宿に着いたらまず洗濯という日々だったが、洗濯機を使えたところは1件のみ、乾燥機があることを予想していたが、まずはなかった。手で洗って絞って干すという原始的な洗濯。夕方から干すので朝までには乾かない。それをまたザックに詰めて移動する。ザックに靴下やTシャツをくくりつけ干しながら歩いている人も見かけ、わたしも真似をする。


このジットは朝食つきで、宿泊代は献金として箱の中に入れることになっている。このゆったりとした空気やフレンドリーさもビジネスではないが故の豊かさなのだろうと心地よかった。
忘れられないジットだったが、ひとつ問題があった。この日はルネッサンスフェアの真っ最中。このジットのすぐ前の広場はお祭り中心の場所。飲めや歌えの大騒ぎは夜中の3時くらいまで続いていた。明日から歩き始める巡礼者たちは早々とベッドに入っており室内は真っ暗だったがみな眠れずに苦労したことだろう。



朝8時に食堂へ行くとバスケットに山盛りのパン、ポットに入れられたコーヒーと温かいミルク、オレンジジュース、バター、ジャム、チーズと豊かなテーブルが用意されていた。
食事をしながら、壁に楽譜が貼ってあったので何の歌かとスタッフの方に尋ねると「Ultreia - Chanson de pèlerins」という巡礼の歌で、コンクという町に着いたらみんなで歌うからと、その歌を歌って聞かせてくれた。
これは貴重!楽譜と歌をカメラとボイスメモに記録。
これから先の道で、歩きながら何度この歌を口ずさんだことだろう。一度は夕食のテーブルでそこにいた人達と合唱したのだった。

しかも、当初の予定では、コンクまでは歩かず、それより2日分手前で、再び出発地点に戻るという予定だった。
しかし、しかし、旅は分からないもの。とんだアクシデントのおかげで、行くはずのなかったコンクで、このコンポステーラの旅の締めくくりがでなかたのだった。
このジットで教えてもらった巡礼の歌も、確かに、コンクの聖堂でみなと一緒に歌ったのだ。






たりたくみ |MAILHomePage

My追加