たりたの日記
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この一週間、治療のために、仕事の他は外出もせず、ジムにも行かず、ひたすら養生したが、今日は都内まで出かける事ができた。
28年前に別れたきりになっていた香港に住む知人と再会。 わたしが学生の時、30代だった彼女はきりりとしたスーツ姿のキャリアウーマンだった。わたしの結婚式に来てくれた。けれどその後は、音信も途絶えていたのだった。
会わないうちに彼女は結婚し、香港へ渡り、出産、育児、起業と波乱万丈を生き、一人息子の年齢を聞けば、我が次男と同じ年齢。母となり、それを終えるまでの長い時間がわたしにも彼女にも同じように流れたのだ。それなのに、話していると、この30年近くの年月が一瞬のことだったような気持ちになる。
彼女は、わたしが20代の時に書いた手紙を持っていた。まるで昨日受け取ったかのように、封筒に入れたままの分厚い手紙、彼女の旧姓、わたしの旧姓が記されてあるその手紙をテーブルの上に置いた。 便箋10枚ほどにぎっしりと書いた手紙、文面を読み返し、自分の日記まで書き写しているとこなどに苦笑する。今と同じ・・・ こんなに長い時間が経て、子どもが二人育ち上がったというのにどこかで進歩や成長が止っているのではないかと思う。
「あなたは学生の頃とちっとも変っていない。これから仕事をして結婚するような感じね」
・・・・この言葉を喜んでいいはずはないけれど、何か、長い時間をぽんとひとまたぎして、昔のわたしが確かにそこにいたのは確かだった。
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