たりたの日記
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2007年01月24日(水) |
高橋たか子著「荒野」を読んだ日 |
結局、夕べはベッドの中で「没落風景」を読んでしまって、寝たのは2時。 読み終わるまでは寝ることができなかった。最後に近付くにつれて凄かったからだ。狂気、放火、焼き尽くす意味での火。すべてが崩れてゆく強烈なイメージ。「渇く」という悲痛な叫び。「ロンリー・ウーマン」のテーマがここにもある。 そしてここでも、読み終えて、何か、深く静まるものに満たされる。 この安らぎはいったい何なのかと自問しながら眠りにつく。 カタルシス(浄化作用)としかいいようのないもの・・・
薬が効いたのか、今日はひどい鼻水も止まっていて仕事には支障なかったが風邪っぽい。3クラスを終えた後、夕礼拝には残らずに帰宅。 行きの電車で読み始めた、長編小説「荒野(あらの)」を読み終える。 以前読んだはずだが、かなりの部分を忘れていた。ストーリーとして覚えていたのは最後のところだけ。それにもかかわらず、ここにある登場人物達のエネルギーは忘れてはいなかった。ああ、この人と、知っている人に再会する感覚。その人の内部を知っているからこそ抱く、親密な感じ。 ここにも狂気、そして自死。これでもかという具合に。 しかしこの荒野の果てにあるものを、指し示すかすかな方向がここには見えている。
「私は彼女を荒野にみちびき そのこころに語ろう」―ホセア書の言葉が本の扉に記されていた。
わたしが高橋に没頭していると日記で知ったSが「こんな資料がある。図書館になければ宅急便で送る」と申し出てくれる。有難い。 「高橋たか子の風景」は持っていて再読したが、上総英郎著「内なる軌跡人の作家達」と「高橋たか子論」、山内由紀人「神と出会う―高橋たか子論」 は手元になく読みたいと思っていたもの。とにかく明日、午後の仕事の前に図書館へ行ってみようと思う。
また2時だ。寝なくては。
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