たりたの日記
DiaryINDEX|past|will
梅雨の時期の山行は思うようにはいかない。 遊山倶楽部では17日、18日と泊りがけで八ヶ岳に行くことになっていたが、日曜日は雨だというので、行き先の変更。日帰りで山梨県の高柄山へ行くことになった。
雨の中の登山を予想し、すぐに取りだせるよう、雨具をザックの一番上に詰め込む。今日は帽子はいらないだろう。 ところが四方津駅に着くや、何と陽が照っている。帽子がないのが悔やまれる。
高柄山は733mの山だというのに、これまでに行った山の中でも結構、骨の折れる山だった。山頂に着くまで、いくつものアップダウンがあり、当然帰りも、下ると思えば急な登りがあり、もう登りはこれで最後だろうと思うと、御前山直下の登りが控えていた。しかし堪えたのはこの後の急な下り。登ったからには降りなくてはならない。雨に濡れてつるつる滑る急な坂を綱に掴まりながら降りるといった具合だった。
苦労の多い山だったから、夕方になって下山した後、上野原駅近くの川原で飲んだビールはなんとも美味しかった。しかし宴を始めるや雨。橋の下に場所を移し宴を続け、川に遊ぶ七面鳥のような顔をした鳥や小鴨を引き連れた鴨のファミリーを眺める。
それにしてもこの山へ向かう途中の道で出合った飛び交う蝶の群れ、あれはなんだったのだろう。 蝶たちはあまりにも速く飛び交うので、その形や色も識別できないほどだった。濃い茶色に赤い斑点のある、蛾のようにも見える小さな蝶がひとところに、ちょうど竜巻のように飛び狂っているのだ。うっかりすると口や眼に飛び込んできそうな勢いだった。しかも、我々が歩くと蝶の群れはそのまま、我々を取り巻くようにしてしばらくの間ついてくるのだった。
そこは山を切り開いて作った新道のようで、白いガードレールも真新しかった。この道の真ん中の蝶の群れ、これは、もしかするとこの道に自分達の住処を奪われてしまった蝶たちではないだろうか。自分たちがひっそりと暮らしていた密林が突然消え、薄暗く鬱蒼としていたその場所がスポンと明るい開かれた空間となった。もう木々もなくなってしまったその場所を、蝶たちはしかし、離れることができないでいるのではないだろうか。
蝶の習性など、何もしらないからこれはただわたしの憶測に過ぎないが、 山の中に通された車道、いくつの登りと下りを繰り返して分け入ってきたはずの密林を抜けたところに突然開けた白い道が、何とも異質に感じられたのだ。
山の後はラテンのレッスンへ直行するつもりだったが、電車を乗り継いでジムに着いた時はすでに9時。それでもお風呂だけには入れそう。 サウナで流し足りない汗を絞り、いくつもの急な下りにすっかり痛んだ膝を水風呂で冷やし、疲れた身体を暖かいお湯の中で解く。 ラテンを終えてきたmGとビールを買って家へ。
|