たりたの日記
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2004年11月05日(金) オペラ「蝶々夫人」

亀有のリリオホールにオペラ「蝶々夫人」を観に行く。
知人のNさんが蝶々夫人の世話役スズキをやるというので出かけたのだった。

有名なアリアは何度も聞いているのに、オペラとして最初から最後まで観たのは初めてだった。

ピンカートン役の歌手を張り倒したいほどむかっ腹が立ったということは、彼の歌や演技が達者だったからだろうし、わたしよりも年上のオペラ歌手が演じる18歳の蝶々さんのひたむきさに涙を流したのだから、わたしは充分このイタリアの大衆芸術を楽しんだといえる。

オペラの大袈裟な感じや浪花節的な大衆性はあまり好きではないと思っていたが、いかにもという盛り上げ方や悲劇の作り方がとてもくっきりしていて、余分な神経を使わなくてすみ、身構えることなく目の前の舞台に身を任せることができるというのはなかなかいいもんだ。

Nさんのスズキはその身のこなしや歌い方が、いかにもスズキという女性の雰囲気を出していて、うまいなあと思った。

なんで、そんな女ったらしの男の為に命を絶ったりするのと思いながら見ていたが、後でプログラムを読んで分かったが、ピンカートンと結婚した時、蝶々さんは15歳。帰ってこない夫をひたすら待ったことも、捨てられたことを知り、自ら命を絶つことも、この年齢では分からなくもない。
今の18歳の女の子がこれにあてはまるかどうかは分からないけれど。
それにしてもひどい男だなあ。
だから背の高い、オンナに持てるオトコは嫌い。

ところで、蝶々夫人やスズキ、その他のソリストに限らず、この東葛オペラの団員の方すべての人に言えるのだが、それぞれの声が体のどこにも余分な力の入っていない聞いていて気持ちの良い歌の声だった。
それはこのオペラ団を率いている声楽家かつ医学博士の神戸孝夫氏が、発声法に医学的な要素を取り入れた指導をしているからだろう。


たりたくみ |MAILHomePage

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