たりたの日記
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| 2004年01月16日(金) |
夜更けに脈絡もなくいろいろと |
もうじき、夜中の2時。 今日もPCの前でよくがんばりました。でもずっと座ったままでは身体によくないので、夕食後、夫といっしょにジムへ行き、ボディーアタックを30分だけやってサウナに入ってきました。短い割りには結構な運動量で汗もかきました。サウナの中で腹筋もやりましたしね。
昨日は自分のことばに食傷したなんて書きましたが、人間って順応するものですね。じいっと自分の書いたものと向き合うことになんだか慣れてきました。 今日は作業が進み、ひととおり原稿を選び終え、構成のおおまかな輪郭ができ、本のイメージがはっきりしてきました。そこでようやく焦燥感から解放されています。
次の作業は選んだ原稿を、テーマにきちんと合うように、フィットさせてゆくことです。というのも小説のようにひとつの流れでもって書いたものではなく、時間も、モードも、それぞれ違っているからです。エッセイ集の場合は、その時間やモードが均一でないことのおもしろさも確かにあるでしょうが、 それぞれの文の間にハーモニーがなければ、読む人は不協和音に疲れてしまう ことになるでしょう。
いつだったかゴザンスのテーマで「ネットで綴る心意気」という文章を書きましたが、それはこういう日記のように、即興でさくさく書いてそのまま読者の前にアップするネットライティングの心地よさみたいなことを書きたかったわけですが、本を作る作業は、それとは正反対で、職人のように、コツコツ作業を進めて行くことのようですね。
そういえば、今朝の新聞に直木賞を受賞された京極夏彦さんが書いてらっしゃいました。「・・・職人魂というものを大切に書き続けたいと」 ところで、今日初めて、この作家の風貌を新聞の写真で見て驚きました。 実は電車で行きあったことがあるのです。わたしの向かいに、なんとも不思議な和服の男性がいて、どう見ても、伝統的ないわゆる和服じゃあなくて、何か芝居じみた和風なのです。へえ〜、この頃はこういうコスプレもあるんだと思ったことでした。でもひょっとすると京極さんご本人じゃあなくて、その格好を真似た人だったかもしれません。あまり顔、よく見ませんでしたから。
ところで、今日の芥川賞のニュースは驚きました。21歳の息子と朝ご飯食べながら、ほんとに若くて今風の新人女性作家たちの写真を眺めていました。 息子はわたしなどのショックよりも大きいようでした。だってね、自分より年下の子たちが数あまたいる作家たちの中から選ばれ、スポットライトを浴びているわけですからね。
彼女たちの作品はまだ読んではいませんが、きっとこの年齢の人にしか書けないことが書かれてあり、他の世代にはできない表現がなされているのだろうなと思います。こういう力ある若者の存在は、きっと同じ世代や、後に続く世代に大きな刺激をもたらすでしょうね。
金原ひとみさんの作品は読んだことはありませんが、彼女のお父さんの 金原瑞人さんは、翻訳者として馴染みがあり、ヤングアダルト向けの文学書をすばらしい感覚で翻訳されていて、ロバート・ウェストールの「かかし」を読んだ時にはその翻訳に衝撃を覚えました。児童文学の翻訳書はあっても、まだヤングアダルトという分野の文学が日本には定着していなかったので、その分野の紹介や普及に尽力されていたと記憶しています。そういう意味では、お父さんの仕事を娘がさらに広げたということになるのでしょうか。
今回の芥川賞がきっかけとなって、日本のヤングアダルトの分野がさらに充実していくようで、楽しみです。
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