詩のような 世界

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2007年09月03日(月) 静寂に乗って


隣の家の奥さんが

「たまねぎーたまねぎーたまねぎーたまねぎー……!」

と10回は叫び、呪文のように耳に入ってきた

やっと涼しくなってきたかなあ

縁側に座った

わたしの範囲で空は澄んだ青をしている

ギャーギャーと鳴きながら飛んでいく鳥を目で追ったら

自然な静寂に包まれた

いつもの友が物置の裏からひょっこり顔を出す

「にゃんこ」と呼ぶと

しなやかな友は素早く走ってきて

わたしのふくらはぎに真っ白な小さい頭をぶつけてきた

オーバーリアクションで

「にゃんこ頭突きはやめてえええ」と頼んだ

友はおかまいなしにわたしの指を噛み

「痛い!にゃんこに指噛まれたああああ」

大声を上げてみると

今度は反対隣の家のおばさんが大笑いした

一瞬、穴を掘って入りたい衝動に駆られたが

わたしもたまねぎおばさんのように

小さな笑いを提供できたのだ

そう考えることにしたら、少し照れた

友のグーパンチを軽軽と避けてから

ふわふわの粉雪みたいな背中をゆっくりと撫でた


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