詩のような 世界
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パステルカラーのカーテンを開けたら ママの巨大な顔が目の前に浮かんでた 見慣れてるはずなのに怖くて怖くて 息ができなくなった
あたしは赤いつりスカートの端を握りしめ ママの顔にもつれる舌で許しを請う 誤る理由なんてない気がしたけれど ママの顔が少しづつしぼんでいったから あたしの汗も引き始めた
それでも ママの顔は変わらずのっぺらぼう しゅるしゅると小さくなって 白い風船になったと思ったら 右から一直線に飛んできた鳥に あっけなく割られた
あたしは頭痛に襲われて こめかみをぎゅっと押さえる 鳥を装ったパパの姿はもうない カーテンを閉め スカートで頬を拭った
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