詩のような 世界

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2003年06月11日(水) 狂気の足元の狂気


黒い鳥が空から雨のように降り注ぎ
銃を構えた子供はそれを見ながらほくそ笑み
その様子を眺めていた僕もにやついていた

何が起ころうとかまわない
死骸と化した黒い鳥の群れが
道行く人々の頭を直撃する

骨のきしむ音が辺り一面に溢れ
死は死を招いてゆく
子供はまだ銃を下ろそうとしない

飛ぶ鳥は一羽たりとも彼に許されない
自分の身体より大きそうな銃を
ブルブル震える両手で支えている

黒い雨はまるで空をつたう涙のようだった

子供の足元に這いつくばって
僕はカメラのシャッターを夢中で切っていた
荒々しく生動的な死のさまに
同じくブルブル震えながら共鳴していたのだ


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