詩のような 世界
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黒い鳥が空から雨のように降り注ぎ 銃を構えた子供はそれを見ながらほくそ笑み その様子を眺めていた僕もにやついていた
何が起ころうとかまわない 死骸と化した黒い鳥の群れが 道行く人々の頭を直撃する
骨のきしむ音が辺り一面に溢れ 死は死を招いてゆく 子供はまだ銃を下ろそうとしない
飛ぶ鳥は一羽たりとも彼に許されない 自分の身体より大きそうな銃を ブルブル震える両手で支えている
黒い雨はまるで空をつたう涙のようだった
子供の足元に這いつくばって 僕はカメラのシャッターを夢中で切っていた 荒々しく生動的な死のさまに 同じくブルブル震えながら共鳴していたのだ
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