詩のような 世界

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2002年12月30日(月) 逃避不可


彼は私の夢に出てくると
いつも最初は笑っています
私だけを見て私だけと通じ合う
そこでは絆みたいなものを感じるのです

でも場面が変わるごとに
彼の気持ちも変わるようで
気がつくとこの手を離している
私は彼の行方を探すのでした

そして溜息
やっぱり彼は知らない女の下で笑い
視線を彼女だけに向けています
私を「なかったこと」にしているのでしょうか

だけど彼を責める気にはなれないのです
むしろ自分から別の人に移る彼を
自然だというふうに眺めています
彼に対する情は深くないのかもしれません

それとも逆なのでしょうか
私が感じる「絆」は
小さなことはどうでもいいことであると
認識していたとしたら

可能性は後者のほうが強いみたいです
私にはこれからも彼の夢を見るという
確証めいたものがあるからです
逃れられないとわかっている

この先彼は何度私から去っていくのでしょう
この先私は何度傍観者になればいいのでしょう
この先

この先夢は呪縛のごとく現れつづけるのでしょう


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