| 2006年09月14日(木) |
「ねじの回転」恩田陸 |
夏中、ずっとはまっていた「ブレイブストーリー」をようやく抜け出して・・・(笑) さて、次は何を読もうと探していて、目についたのが恩田陸さんの「ねじの回転」でした。 ファンタジーの次はSF、と思ったわけでもないのですが、そう、「ねじの回転」はしっかりSFです(^^;
実を言うと、SFものはいまいち理解力が追いつかない私(笑) 同じように不思議系でも、ファンタジーものは不可解なことでも、「まあファンタジーだからね」と割り切ってしまえるのですが、SFとなると、つい「なんでそうなるの?」みたいに、あれこれ考えこんでしまいます。 きちっとそれぞれの謎のピースが、自分なりの解釈の枠に収まってくれないと、すっきりしない(^^;
特にこんがらかって結局わからなくなるのが、タイムトラベルが絡むもの。 時間をさかのぼることによって生じる、過去と現在と未来の出来事の原因やら変化やら、まさに思考の糸があっちでもこっちでも絡み合って・・・(^^; 理解に苦しむくせに、妙に惹かれるのも、またこの類のお話なんですけどね、困ったことに(笑)
さて、「ねじの回転」、まさにこのタイプの、私の思考がこんがらかってしまうタイプのお話でした。 すでに、タイムトラベルが可能な世界と言う設定になっています。 過去の忌むべき歴史を変えることを、国際的レベルで行ってきた世界で広まった、致死率の高い病。 その原因が、歴史を変えてきたことにあるのではないかと言う説に従って、歴史を元の形で再生させるプロジェクトが進んで行きます。 その最終のターゲットとなったのが日本での二・二六事件。
プロジェクトチームは、当時のその事件の関係者数人を協力者として選び出し、二・二六事件をもう一度再生しようとするのですが・・・ なぜか歴史と不一致の事柄が起こってくる。そこにはいったい誰の意志が働いているのか。 事件に係わった青年将校や、プロジェクトチームのメンバーたち、それぞれの思惑や不安、さらにメインコンピューターに紛れ込んでいるらしいハッカーの存在など・・・歴史再生は何度も不一致になり、その度にやり直しになる。
限られた時間の中で、行ったり来たりする歴史、微妙な食い違い、焦りや苛立ち、策謀が飛び交います。 恩田さんて、こんな本格的なSFも書くのねえ、と感心しながら、いったいどんな結末が待っているのか、と言う興味で最後まで引きずられて読み終えました。 で、思ったこと、やっぱり私の頭はSFものを正しく理解して、心から楽しむには向いていないのかも(笑) 面白かったことは面白かったのですが、どこかすっきりはっきりしない、とことん理解できてはいないぞ感(なんだ、それは?)が残ってしまうのです。 えーと、だからここの原因が、後にこうなって、でもあれはどうなったの?こっちは結局何だったの?、みたいな(笑)
もしかしたら、ひとつには私が二・二六事件についての知識があまりなかったこともあるかも(^^; 今回、この本を読むに当たって、とりあえずネットで事件のことを調べてはみたのですが。 そう言えば、事件の当事者の青年将校さんが実名で登場します。しかも、この物語を動かして行く重要な役回りで。 歴史再生の協力者として、事件の起こる数日を何度も繰り返さなければならない青年将校は、その中で、もしかしたら自分の手で歴史を変えられるかも、と思い始めます。 その揺れ動く心理や強い信念、行動が生々しく描かれていて・・・(^^;
もちろん歴史を題材とした話を書く場合、当然実在の人物も登場しますが、それが遠い歴史であればあるほど、人物像は自由に書けるのではないかと思います。 けれど、70年前と言ったら、まださほど遠い過去とは言えない。 おそらく子孫の方もいらっしゃると思うと、けっこう勇気のいることですよね。
おっと、話がそれました(^^; 感想、いまいちよくわかっていないんだけど、面白かった(*^^*) わぁ、なんていいかげんな・・・m(__)m たぶん、こういう謎があっちこっちに残っている感覚も、また楽しいと思っているようではあるのです>自分σ(^_^; しばらくは、この謎で悩むのもいいかな、なんて(笑) きっと、SF好きな方はかなり楽しめる一冊だと思いますよ(^^)v
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