「ウメ子」、この間からテレビで予告編が流れていて、ちょっと気になっていたドラマでした。 あ、今日だったんだ、と思いながら見ていたのです。 「ウメ子」と言うタイトル、なんだかレトロな響きのある名前だなあ。 原作は阿川佐和子さんなのね、ふむふむ・・・
もしかしたら誰にでも、子供の頃に遊んでいたはずなのだけど、その後もうずっと会っていなくて、今頃どうしているのかな、とふと思い出すような友達がいるのかもしれません。 物語は、小学校の教師「みよ」が幼い頃よく遊んだ「ウメ子」に関する回想と、彼女が兄と一緒に訪ねる「ウメ子」との思い出の場所とが、交互に描かれます。 幼稚園で仲のよかったウメ子。甘えん坊で引っ込み思案なみよは、活発で風変わりなウメ子の家に遊びに行ったことをきっかけに、どんどん仲良くなります。
ウメ子のお母さんもちょっと変わっていて、ウメ子をのびのびと、夢と自立心を持たせながら育てています。 どうやらお父さんは別居?(それとも離婚?) いつも明るいウメ子ですが、本当はお父さんに会いたいと言う寂しさを隠していたのですね。 ウメ子の両親は、もとはサーカスの団員。そこから舞台はサーカス小屋にも移って行くのですが・・・ ウメ子の両親の確執、そのことに反発したウメ子の大怪我。 その後、ウメ子はどうなったんだっけ? みよの心にウメ子への懐かしさが募ります。
今はどこにいるのかも、わからなくなってしまっていたウメ子を探しての、みよの心の旅。 そしてついに、ウメ子との再会。そう、ウメ子は昔と変わらず、自分の目指す道をまっすぐに生きていたのですね。 教師としての自信を失いかけていたみよも、しっかりと自分の生き方を確認します。
ほんわかとなつかしさの漂うドラマ。 学校帰りの寄り道、友達の家へのお泊り、楽しいごっこ遊び、親へのささやかな反抗や家出のまね事・・・ 子供の頃に経験した様々な思い出が、私の頭の中にもふっとよぎりました。 ほんのちっちゃなことが、子供にとっては大きな喜び、大きな不安、大きな夢や冒険。 今になって振り返れば、心の奥にそっとしまわれていて、時折ちらちらっと光ってみせたりする、大切な思い出なんだなあ、と。
最初はなにげなく見ていたドラマ、いつのまにかほのぼのとした暖かさや懐かしさに浸ってしまっていました。 どこでも自由に駆け回り、のびのびと遊びふけり、毎日が小さな発見や冒険の日々・・・ もしかしたら、今の時代の子供たちには望めない情景なのかもしれない。 最近の哀しい事件のニュースを見ると、ふとそう思えてしまいますが・・・ どんな時代でも、子供たちの心にきらきらした夢が消えることのないように、と強く願いたくなる、そんなドラマでした。
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