新聞の広告欄に載っている本の宣伝を見て、「あ、これ読みたいな」と思うことがわりとあります。 今回買った『美人の日本語』と言う本もそうでした。
「お洒落」「茶目っ気」「大丈夫」「遠慮」など、日常なにげなく使っている言葉。 「真帆片帆(まほかたほ)」「詞華」など初めて耳にする言葉。 「山笑う」「南風(はえ)」「釣瓶落とし」「鬼遣(おにやらい)」など、季節感のある言葉。 「比翼連理」「玉章(たまずさ)」「埋み火」など、聞いたことのある風流な言葉。
様々な美しい日本語たちを365日にそれぞれ当てはめて、その言葉の由来やら著者の解説などを載せています。 もともとの意味から変わってきてしまった言葉もあれば、思いがけない背景を待った言葉もあって、感心したり感激したり。 また著者の方の解説が、とても感性溢れるやさしさのある文章で、これまたとても素敵なのです。
自分の誕生日に当たる日に、どんな言葉が載っているのかと言うのも興味あるところ(笑) ちなみに、私の誕生日に書かれていた言葉は「春告草(はるつげぐさ)」。 これは梅のことだそうです。 梅はとても好きな花なので、その意味からもちょっと嬉しかったりして(笑)
言霊と言うものについて、最近ちょっと思うところがあって・・・ 口にした言葉は、何かしらの力を持つと言うと、なんだか小説「陰陽師」の世界になっちゃいそうですけど(^^; 昔の人は、きっとそう信じていたのだろうなあ。 今だって、もしかしたらそういうのあるのかも・・・ 言葉って、いつもあまり考えずに使っているけれど、もしかしたら自分の発した言葉が何かの影響を生むこともあるのかもしれないんですよね。
たとえば誰かをののしる言葉は、ののしられた本人はもちろん、近くで聞いている人にも気持ちのいい響きではないでしょう。 耳障りな言葉が音となって流れた瞬間、そこには「いやな空気」が発生してしまう。 それはある意味、悪しき力(おおげさ?)と言えるのではないでしょうか(^^; 反対に、誰かを思いやる気持ちのこもった言葉を耳にしたら、ふわっと空気が暖かくなる。それもまた力・・・暖かな力。
言葉は確かに一瞬で消えて行くものだけど、その時発生した空気のイメージと言うのは、もしかしたら人の潜在意識に残って行くのかもしれません。 そう思うと、やはり言葉には気をつけないと、と思ってしまいます。 荒れた言葉ばかりを使っていると、気持ちまで殺伐としてしまいそう。 落ち込んだ時には、前向きな言葉を思い浮かべて、自分に言い聞かせてあげるのがいいのでしょうね。 実際に、日常生活の中で、美しい言葉ばかりを口にするのも不自然だったりはするけれど。 でも、こんな素敵な言葉もあるんだと、ふと思い出して心をやわらげるようなゆとりが持てたらいいなあ。 そのためにも、素敵な言葉たちをこころに貯金しておくのは悪くないですよね。
そんなことを思わせてくれたこの本・・・大切にして、時に触れ読み返したいものだと思います。
|