日々日記
いちらんふるいあたらしい


2009年12月09日(水) 信じられぬほどすばらしいこと

きょう最も響いた詩。


谷川俊太郎 「あかんぼがいる」(初出『真っ白でいるよりも』)より抜粋。

「あかんぼよ
お前さんは何になるのか
妖女になるのか貞女になるのか
それとも烈女になるのか天女になるのか
どれも今ははやらない

だがおまえさんもいつかはばあさんになる
それは信じられぬほどすばらしいこと

うそだと思ったら
ずうっと生きてってごらん
うろたえたり居直ったり
げらげら笑ったりめそめそ泣いたり
ぼんやりしたりしゃかりきになったり

そのちっちゃなおっぱいがふくらんで
まぁるくなってぴちぴちになって
やがてゆっくりしぼむまで」



ばあさんになることが、しんじられぬほどすばらしいことだって、
力説せず、自然体で、圧倒的な肯定でもって断言してくれた谷川俊太郎さんがだいすきだ。

わたしは自分が好きよ。
いつだって今の自分が一番好き。
年をとってもきっとそう。でもその喜びをなかなか他人と共有できない。

誰かと共有しようとすると、
どうしても「年取るのってやぁねぇ」って文脈になってしまう。

この口がついつい、大変なこととか、心配なこととかを挙げていってしまう。


「年取るのって最高だよねぇ」っていう会話を多数の同世代の人々とできたらどんなに素敵か。


わたしももう身体の成長の頃は過ぎて、ゆっくりといろいろが衰える頃に入った。
ぴちぴち、とはもはや言えないね。

でも、年を取るのは素晴らしいことだと思うよ。
そう言ってはばからないばあさんになるよあたしゃ。


inu-chan