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2005年05月16日(月) 怒りをコントロールできない子

大河原美以(著)『怒りをコントロールできない子の理解と援助: 教師と親のかかわり』金子書房

を読んだ。著者は児童相談所や教育センターで心理職をつとめた後、大学教員になられた方で、もう20年以上臨床現場にでておられる。

最近、「キレる子ども」などというニュースが世間を賑わせ、ADHDやアスペルガー症候群という名前が知られるようになったので、なにか問題がおきたというとそういう障害に帰属して説明するという風潮がある。著者は、そういう診断名は本人がエンパワーされるときのみに有効であって、レッテル貼りにおわってはしょうがないという。

「問題」とはある種の言説であって、「問題」が「問題」となる文脈が大事だといい、問題を増幅するシステムをたちきることと、その子の固有の問題にアプローチすることをわけて考えるべきだと述べる。また、それを具体的な実践例を交えて説明されている。専門的な部分にふみこまないのは、本の趣旨からしてしょうがないのだが、でもSCとしての実践にとても使える本だと思った。

(キレる子は発達障害ばかりではないが)発達障害の子は、教室の雰囲気といったものに敏感に反応してキレてしまうことがしばしばある。そういう時、本人が発達障害であると知っていても、クラスの雰囲気というのはなかなか手がつけにくいものだが、本書ではそういうクラスのなかでの発達障害をとらえる視点にも言及されていて、すばらしい。学校臨床に携わるみなさん、買って読むべし。


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