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2005年04月26日(火) 世の中そんなもの

またもや研修会の講師を頼まれる。頼まれるうちが華。使ってもらってなんぼの世界です。
ただし今度は10年研らしい。10年といったら、新卒からとして、同年代じゃあないの。
知ってる人(正確には、過去を知ってる人)がいたらいやだな。

内田樹・名越康文(著)『14歳の子を持つ親たちへ』新潮社

名越先生は、前に『グータン』という番組で、芸能人の精神分析をやったり、『ホムンクルス』『殺し屋イチ』というマンガの原作をやっている人だ。マンガも面白いし、グータンでのコメントっぷりも、まあ、テレビ向けだから基本的にいんちき臭さはあるものの、それなりに信憑性のあることをいっていることもあり、その人がなにをしゃべるのか興味があった。

のであるが、面白かったのは内田先生が後半部分で語っていた14歳のころのエピソードである。内田先生の中学の友人に映画評論家の松下政巳さんという方がいらっしゃるそうだが、中学時代はめっぽう生意気で、親も同級生もバカに思えてしょうがない時代を過ごしたらしい。そんな松下さんは、内田先生のような、これまた生意気でこ難しいことを語る中学生と文通をはじめて救われたのではないかと内田先生は分析する。お互い、顔のみえないなかで生意気で難しいことを書き連ね、それぞれに「細面で痩身の知的な感じ」といった身体的特徴まで想像していたのだが、いざあってみるとお互い「坊ちゃん刈りで丸顔の中学生」にすぎないことがわかり、「なんだ、世の中ってそんなものね」と思ったところで憑物がとれるように楽になったのだそうだ。

「ああ、こういうのでも大丈夫なんだな」と思う経験って大事だと思う。概して、理想主義的になり、世の中が矛盾ばかりにみえてしまう人たちにとって、僕らは矛盾ばかりでちっとも冴えない人に違いない。それでも、こんなやつでもなんとかそれなりに生きているらしいということが、彼らにわかることが大事なのではないか、と。






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