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2004年10月22日(金) IDSとか

京大アフリカ研の高田さんを迎えてのここから研。

セントラル・カラハリ・サン(グイ/ガナ)の乳児向け発話(IDS)について、ビデオクリップを参照しながらのご発表だった。

グイ/ガナの音声には実に80近くの子音があり、そのなかの50以上はクリック音といわれる「チッ」とか「ッツ」というような音声である。日本ではこのような発音は普通ないが、高田さんはさすが器用にこの言葉を話しておられた。ブッシュマンの言葉を研究している人は全世界で1000人くらいしかいないらしく、僕らがアメリカいくのに『英会話入門』などもっていくのとはわけが違う。言葉のわからない国でフィールドワークするなんて、とても僕には考えられない。

もっとも、それは関心によるわけで、高田さんの今回の発表はいかにIDSといったものが、いかに社会文化的な場において、他者を志向しながら行われるかということが主旨だったから、その意味では純粋に意味などわからないまま音が聞こえてくるという体験は、ある意味で有利なのかもしれない。

グイ/ガナでは、低い音もIDSとして機能している(我々の感覚からすれば高音だが)こと、生後半年ちょっとの赤ん坊とのIDSが、赤ん坊との原初的なターンテイキングになっていることなどが示されていた。

ただ、ターンテイキングというのは我々の社会に特有の規範でもあるのかなーという気がしていた。ブッシュマンの人々は、我々の社会とはことなった会話への参与構造をもっており、オーバーラップや割り込みが起こりやすいからだ。一人がしゃべって、次にもうひとりがしゃべるという、ターンテイキングというルールは、一人の人の言うことを大切にするというような我々の社会のコミュニケーション観の影響を受けているのではないかと思った。後で聴いてみたら、ブッシュマンについては、菅原先生などがターンテイキングからは逸脱する例を紹介しているが、しかし、かなりターンテイキングはみられること、しかし、我々の社会における会話のルールとはだいぶん意味合いは異なっているであろうということだった。

ところでブッシュマンは7割が日本的な枠組みで判断すれば失業者であるという。別に、彼らは農耕や狩りをやっていて、それが日本的には無職であるということではないらしい。まさしく、彼らはなんにもやっていないらしいのだ。ブッシュマンのいるボツワナは、ダイヤがとれるのでとても裕福であるらしく、税金なんか払わなくてもけっこうな金額の年金やら配給がもらえるらしい。そら、働く気もなくなるよね。「いいなあー」と感嘆する日本人たちであった。

9時頃お開きになり、みなさんを駅までおくってから大学にとってかえし、科研費の申請書。むむ。めんどくさい。めんどくさいぞ・・・・。といっているまにもう夜中の2時。さすがに二晩研究室に泊まるのは身体によくないのでそろそろ帰ることにする。いやしかし、最初は出すことに意義があるなんていっていたが、これだけ面倒くさいとやっぱり採択されたくなるぞ。

もしかすると、この面倒くささは研究者を本気にさせる効果があるのかも(んなわけはない)。


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