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2004年06月27日(日) 語りがうまれる場所

学会2日目。ナラティブのシンポ。

お定まりの概説が続くなか、松澤先生の発表はとても印象的だった。
先生は精神病院で長年はたらいてこられた看護師。

自分は精神病などではない。退院させよ。と毎回のように執拗に訴え続ける患者とのとりくみを話される。

治療スタッフはだれも彼のその望みを聞き入れることは当然できないから、なんとか毎日をもちこたえるのに精一杯であった。そのなかで、先生が考えたのは患者を「引き受ける」ということである。

患者の訴えを「病識のなさ」ととらえるのは容易い。容易いが、だからといって患者の訴えがやむわけではない。患者の訴えはつづく。そもそも患者の苦しみは変わらない。

理解しても、直面する困難が変わらないとき、残されているのはそれを引き受ける勇気をもつのかもたないのか、ということである。ここには語り手、聞き手の身体性がいれこまれている。身体性を基盤としてナラティブを考える必要があると思う。



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