2005年12月28日(水) ボツの墓場その1
年末年始在庫一掃処分…じゃないっすが。オレの今年のボツ原稿をここに墓場のように残しておきましょう♪
最近、保険会社のTV−CMがやたら目に付く。
以前だったら、インスタント・ラーメンをのんきにすすってるCMとか、シュワ〜っとさわやか清涼飲料水のCMとか、カメラ目線のお姉さんが澄ましてる化粧品のCMとか、ノホホンとした、日常の延長そのもののCMが1番多く目についたのに、どうだろ? ここんところ日常から離れた、「いざ!ってときのために」な保険のCMばっかりが、特に昼間〜夕方くらいの時間滞に多く流れてる気がする。
しかもその多くが外資系の会社のもので、どれもがやれドカ〜ンと任せろ!だの、ガツンと安心!だの、これさえあれば!だの、あなたでも大丈夫!だの、そんなのばかり。商品名もアピールの方法も外人らしい、ストレートさ。かつて保険の商品名って言ったら、「ひまわり」とか「コスモス」みたいな可憐なお花系や、もっとおしとやかなものだったのに、今やそんなウルウル乙女チックな、遠まわしなこたぁ言わない。分かりやすく、まっすぐ、ドぎつく、ドカ〜ン! そしてしつこいほど、大丈夫大丈夫大丈夫、ってまくしたてる。とにかくこれにさえ入ってれば、もう万万歳なわけですよ〜!ワハハハハってな調子だ。
しかし敵もさるもの(えっ、敵?)。そのまくしたてをカモフラージュするかのように、実際にCMに出てくる俳優とか女優の芝居は、自然体風。
「ちょっとあのね…」
と、顎に手をやりながら(←いや、実際には手やってないけど)、何気な〜く語りかけてきます調が目立ち、有名な俳優とか出てこないものでも、
「私、これで助かっちゃったんですよぉ」
と、ニッコリ笑顔の体験談調。これも赤の他人のくせに、親しげに語りかけてくる。
正直、滅茶苦茶どれも白々しいことこのうえないのだけど、
「そんな白々しさなんて十分承知ですが、それでもやるんです!」
みたいな自信さえ画面からは伺える。きっとギャラをたっぷりもらって、彼らは誰よりも安心満足なんだろう。
「白白しい? ふっ、それがなんだっていうんですか? 私は安心してるんですから。ふふふふっ」
に決まってる。あぁ、いやだいやだ。そんなこと想像すると、大好きな清水ミチ子が
「私の保険があなたにも合うとは限らないじゃない?」
なんて言って登場したのには、けっこうガク〜ッときた。おいおい、こんなんに出ないでよ〜って、うなだれてしまった。
思えば、こういう保険のTV−CM、あのリンリリリンッ♪と電話のベル音が鳴るアメリカの保険会社のCMあたりから、目につくようになった。むろんその頃に保険のCMが解禁になったんだろうけど、あのリンリリリンッ♪はかなり耳についたし、外資っぽい、いかにもメイド・イン・アメリカ調の色合いやムードで、外国=オシャレ感みたいのを醸し出すのに成功して、あの会社の知名度を一気にあげ、ブランド・イメージを確率したんだよねぇ。
それで保険会社は、これからはTV−CMこそが大切!って思ったのかな。昔みたいな、オバちゃんがいきなりピンポーンってお宅訪問外交商売なんての、もう、今みたいに「知らない人にはドア開けませんですのよ」の時代にはそぐわないし。
しかしこの保険会社CMの大洪水。安心安心安心と連呼しながらも、逆に見る人の不安を呼び起こしてやしないか? なんか、そればっかりこうも出てくると、私は見るたびに
「そっかぁ、普通の大人はこうやって備えておくもんなんだなぁ」
と、“備え”にまで及ばない己の乏しい経済状況を思って、ちょっとかなり遠い目になる。そして病気になって途方に暮れてる自分まで想像しては、
「やばいよなぁやばいよなぁ」
と、どうにもならない“やばいよアリ地獄”へと陥っていくのだ。日頃は忘れるようにしてる、“この先の不安”をはっきりと自覚させられ、本当〜にもう、困る。困り果てる。
しかし思うに。これこそが保険会社CMの狙いそのものなんだろう。大丈夫大丈夫大丈夫って連呼することで、逆に人に
「あら、私は大丈夫かしら?」
と、疑問に思わせ、
「入らなかったらヤバいんとちゃうか?」
と不安に陥らせ、自社の保険に“入れ〜入れ〜”と誘っている。私なんてまさに彼らの思う壺…ド壷なんだと思う。
しかしそうやって考えると、保険会社、ずいぶんと意地悪じゃない? 安心を売る商売とか言いながら、実は不安を煽って金儲けしてんのとちゃう? それに大体、保険ってそんなにアテになるもんなのか? ってことまで疑いたくなる。
だって私、思い返せば、保険会社にだまされたことがあるんですもん。
以前私は、とあるC社の生命保険に加入していて、C社は大手で、その保険は25年モノ。ずいぶん若い頃から加入してたから(←実はけっこう好き、保険?…笑)そのまま加入し続けていたら、40才を過ぎた今から数年先が満期の時期だったはずだけど、そのC社がちょっと経営状態が危ないかも? と囁かれていた数年前のある日、友達の国子ちゃん(仮名)が電話をかけてきて
「和田ちゃん、C社の保険入ってるよね?あのねC社、マジにヤバいんだって。今ね、うちの会社でどうにかしてC社の保険に入ってる人達を助けてあげようってみんなで言ってるの。だからこっそり教えるね」
と言ってきた。国子ちゃん(仮名)は別のD社の保険外交員。そして
「ウソ? マジ? やばいじゃんやばいじゃん。私の払ってきた金はどうなっちゃうの?」
とすっかりうろたえる私に国子ちゃん(仮名)は、すごく優しい声で、
「う〜ん、たぶんほとんど返って来ないよ。だから今のうちに解約した方がいいと思う」
と答え、それから国子ちゃん(仮名…しつこい?)は自社の保険を私に推薦し、すっかり信じ込んだ私は彼女に連れられ、まずC社に行って自ら保険を解約。その足でそのまま彼女の働くD社に連れて行かれ、速攻新しい生命保険に加入し直したのだ。むろんその後、C社は潰れることなんてなく、私はものすごい大損をした。でも当時はすっかり彼女を信じ込んでいて
「ありがとう。お陰で助かったよぉ」
なんて言ってたんだから、おめでたすぎ。オバカちゃんにもほどがある。母親には
「きちんと調べもしないで解約しちゃうなんて、ダマされたアンタも悪い」
とその後言われて、その通りだと思い、己のバカさにすっかりイジイジしてしまった。しかも結局、私はその後D社の保険も解約し、二重の損をすることになった。
実はD社、これと似たようなことをたくさ〜んしてたみたいで、注意勧告みたいのを受けたらしいけど、新聞にはあまり大きくは出てなかったし、TVでもあんまり報道してなかった。なんだかなぁ。世の中のいろ〜んな意味での仕組みを感じちゃう私だ。
でもって、それだけじゃなく、ほかにも聞くじゃない? ガン保険に入ってて本当にいざガンになったら、
「その保険では、その種のガンには対応しておりません。あしからずっ!」
と払ってもらえなかったとか。事故起こしたのに、なかなか担当者が来てくれなかったとか。入るときは大丈夫大丈夫大丈夫と連呼するくせに、いざっ!てときにち〜っとも大丈夫じゃなかったとかさ。まぁ、全部がそうだってわけじゃないけど。でも保険さえ入っておけば安心安心ウッシシ〜なんてこと、あり得ないんだと思う。
それにここんとこ大丈夫だ大丈夫だと連呼する声が大きくなるにつれて、政府は涼しい顔して老人医療費なんてドンドコ値上げしちゃって。保険に入ってないと「安心して老いぼれることもできんわい、わしゃ!」てな状態を生み出してる。本当は老人医療費を値下げして、みんなが年取ったときの医療費なんてあれこれ心配しなくてもいいように、そんな年令まで保険に入らなくても大丈夫にすべきなのに、全く逆行ってるのだ。
しかも思うに。そうしてる政府はアメリカさん大好き。アメリカのポチ。今、大丈夫大丈夫を連呼する保険会社の多くはアメリカさん系…。ボス犬の会社ばかり目につく。ってことは、なんかそこに結託あるんじゃね〜のか〜? などと、友達の「危ないのよ」電話にダマされちゃうくらいノータリンな私でも想像できる。
そんな風に考えて行くと、あの大丈夫大丈夫連呼の生命保険のCMたちの裏に、なんだかもぉ〜ドス黒いものを感じてしまう。安心を売ってるような顔をして、実は不安を植え付けてる。ち〜っとも大丈夫じゃなく。ち〜っとも信用など出来ない。あぁ、世の中って!と怒りの赤目になっちゃう私だ。