| 2006年09月04日(月) |
>>さらば、黒沢!! |
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ビッグコミック・オリジナルで連載していた、 『最強伝説、黒沢』が終了した。
まさかとは思ったが、ここ数週間の説きっぷりは それを匂わせる節も確かにあった。
福本漫画の中でも最高齢にあたる40代半ばの 独身土木作業員が主人公だった本作。
連載当初の怒涛の超ゆるゆるペースで長く引っ張る ダメ中年っぷりは、全てはラストへの布石。
戦う40代。
いや、戦わなきゃいけない事に気づいた40代。
人生には決して諦めちゃいけないんだって!
自分の器量の無さを自覚した上でも、 それでも戦う心、挑戦する心、 は決して失っちゃいけない。
福本先生がこの漫画で伝えたかったのは、
『敗者の美学』
自分の力だけじゃ、結局どうにもならないことはいくらでもある。
でも、それに立ち向かうこと。 たとえ、負けるのがわかっていても「NO!」と言う勇気。
粉々になろうと、俺が俺であることを忘れちゃいけない。 それは、とても大事な事なのだ。
ロックンロールは僕らが生きていく上での聖歌なのだ。
今更だが、福本先生のロック魂は極めてアツい。
ロックンロールという教科書をわかりやすく漫画に してくれたよーなモンじゃないか。
あぁ・・・それにしても残念だ。 やはりファンとしては、こっからドンドン連戦連勝の ”最強伝説”を期待していたんだが・・・↓
でも福本先生的には、 黒沢という人物を読者にリアル(現実的)に伝えるには ここ(戦う気を捨てたホームレスたちと組んで暴走族を倒すこと) がリミット・・・だと考えたんだろう。
これがいたって平凡で普通の何もトリエの無かった男の 可能性の限界。意味のある死。 さすがにこれ以上の金星は、ただのスーパーマン。 読者の感情移入が薄れてしまうのだ。そりゃそうだ。
だから終えた。
福本先生が黒沢という男を使って伝えたいことは、 これにて完結したのだ。
これで黒沢先生の連載はアカギとカイジのみ。 おそらくアカギは、今の戦いが終われば終了するだろう。
アカギは後に「天」にも出るわけで、 この闘牌でも絶対に負けないことが決まってるわけで、 これ以上引っ張っても、特に意味はないのだから。
やはり福本先生的に一番愛着があるのはカイジなのか?
カイジだけは本当に平凡でダラしなく、 いつ負けてもおかしくない雰囲気が常にある。 閃くことは閃くが、それでもボロが出たりするという ”天才”と”凡人”のちょうど境目スレスレを 行き来してる感がいい。
ここ最近に福本漫画の主人公の中で、唯一とも言える 自分を捨てれない=ギャンブルに不向きな男、カイジ。 読んでて一番ドキドキしますよ。 勝負の途中で、気抜いちゃうトコとかバリ素人(笑) そりゃ愛着沸きますわな。
さて、僕のヒーロー”森田”はいつ復活するんでしょーか? 強くて、ヘタ踏まなくて、命も張れて、そしてピュア!
景気も徐々に上向いてるみたいだし・・・ そろそろ連載再開するべき!
最近コンビ二で『銀と金』の兼価本をよく目にするし、 これは再開への布石と思っておいて、いーんでしょーか!?
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