あおい世界
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2010年09月07日(火) 本■続けて三連発。

続けて熊谷達也さんの本を借りました。

『相剋の森』 と何らかの関係があるのかもしれないと思い、
『氷結の森』 を手に取り、ページをめくりました。
主人公が秋田のマタギだったということだけは関連があったものの、
こちらは熊狩りとは全然別の話でした。
いつの時代設定なのでしょう。
あたしは歴史とか世代背景に対して無知なのでよく分かりませんが、
十円や百円が高価な時代で、
樺太(サハリン)に行き来できていたということなので、
相当昔のことなのでしょう。
行き来できていたとは行っても、交通手段は船や犬橇。
さらにアイヌなどの民族問題や、
中国・朝鮮・ロシアと日本の戦争など事実に基づくことも記されていました。
主人公の矢一郎は、故郷である秋田を捨てて以来、
新潟、山形、北海道などを一匹狼のように転々として歩くのですが、
ある意味、堅気な性格のせいか女性にもてるし、
裏世界の筋の大御所からも一目置かれるような人物です。
表題の 『氷結』 というのは、真冬に凍る河のこと。
決して明るく軽い内容ではありませんでしたが、
全然触れたことが無い世界だったので面白く読めました。

次に手にしたのは、 『はぐれ鷹』。
こちらも全然知らない世界である鷹匠の話。
ただ、作者は相当な山岳好きらしく、
多くの作品が奥深い山を舞台にしています。
この 『はぐれ鷹』 の設定は現代。
そんなに奥深い山ではないにしろ、
素人がピクニックできる範囲は超えています。
そして最近の若者にしては珍しく、
自分のやりたいことのためなら何をさておいても頑張れるという主人公。
それは決して、周りと歩調を合わせたり、
周りに迷惑を掛けないようにしたりという生き方からはずれているのですが、
最低限どんな状況になろうとも自力で進もうという気概が感じられます。
そして案の定、事はスムーズに進まず、終わりも意外なものでした。
途中、想像した通り、角鷹(くまたか)を手に入れ、
そのまま丸く収まるのかと思いきや……。
まるで現実のように丸くは収まらず、という形で終わっちゃいましたね。
それがかえってリアルな感じですが。
作者が何をきっかけに鷹匠を題材にしたいのか聞いてみたいなぁと思いました。

そして最後に、『いつかX橋で』。
これは仙台の中心街が舞台。
時代は仙台空襲から始まり、終戦を迎え、
終戦後の復興中という激動の毎日の中でのこと。
時代が時代なだけに、
真っ正直に生きろという方が無理なのかもしれませんが、
せめて、誠実に生きようとしている主人公のラストは、
安堵できるものであって欲しかったと思いました。
前作の 『はぐれ鷹』 もそうですが、
熊谷氏の作品の終わりは、その先があるような終わり方です。
多分、あたしがハッピーエンドになるまで続けて欲しいと思うからかもしれません。
それにしても、主人公を支える脇役が良かったなぁ。
特に、徳さんサイコー。
実写版になるなら俳優さんは誰が適しているかなぁって思ってしまいました。

それにしても、熊谷氏はあたしより約10歳上というだけなのに、
戦中戦後のことをずいぶん調べたのだなぁと思いました。
それも、仙台の中心街の実情を。
他にも鷹匠のことや、熊狩りのことなど、
一種特殊な世界を描く作者の作品はどれも面白かったです。
次は久しぶりに、東野作品を読みます。


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あおい雪  DiaryINDEXpastwillMAIL

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