sasakiの日記
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2011年12月02日(金) 満月になったら

家に戻る途中で地震に遭遇し、多分停電になるだどうと言う予想のもと、コンビニによって水、電池、若干の食料などを買って北上川の堤防に出た時に、津波の情報を受けた警官に通行を止められた。コンビニに寄ってなかったら途中で津波に正面からぶつかってただろうと、親類が言っていた。
津波がやって来て、娘が仕事場から1週間帰って来なかった。もう、ダメだろうと諦めていた時に石巻から徒歩で帰ってきた。
地震が来て、夜になる頃に山の湯治場に人が登ってくる。命からがら避難して来た人たちでいっぱいになった。もう、ダメだと思った。
波が引いて行って、生まれて初めて海の底が目の前に広がるのを見て、逃げなければと思った。港にはもう民家は一軒も残っておらず、先のことは何もわからない。ただ、漁師はそれでも新しい船を買い、また、漁を始める。
地震津波災害に遭ったにも拘らず、みんなその話をする。
まだ実感が生で8ヶ月はつい昨日のこと。
僕らはまた一年が早いうちに過ぎてゆく、と言ってる。
一年がじりじりとしか進まない土地がある。

思ったことは、僕らは個人では役に立たない。
無茶な言い方なのは分かるけど、それでも僕らは役に立たない。
建物の上に登ったままのバスを見て思ったことはそのことで、あのバスを地上に下ろせる手段は持っていない。
街はきっと復興するだどうけど、もっと奥にあるところは来年まで瓦礫が残っている。
歌では瓦礫はなくならないし、人も戻って来ない。
やっぱりそれはもっともっと先の話で、大きな財布を持っているところが決着つけるしかないし、それを大声で言うだけの人数が圧倒的に足りていない。声の大きさは人口に比例する。

満月の夜に音楽好きが集まってライブをやてる人達がいる。
もう、8ヶ月唄ってない。
まだ目処も立たないし、まだ歌う気持ちも沸き立たないけど、最近ようやくダメだ、というところから、歌えるかもしれないという気持ちが少し芽生えて来た。本当に気持ちの芽生えというのはあるらしい。
歌える時が来たら教えて欲しいと言って来た。

札幌はいきなりの冬。
道路はツルツルになっていて、まるで真冬。

津波の前の引き潮で、海の底が見渡せたという話がずっと残っている。


sasaki