sasakiの日記
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| 2010年05月20日(木) |
SHADOW LADY |
今年も家の近所に咲く桜は一段と見事に、艶やかに並んで踊っている。 ほんの一時なんだけど、気持ちまで桃色になるからいいねえ? 毎年毎年、植物は育っていくからいい。特に花咲く季節はそう思う。 松は一日じゅう外を見ている。猫は猫なりに季節に耽溺しているのかもしれない。思い出したように、絶妙のタイミングであくびをする。 かなり好きなものの一つになるかもしれない。猫のあくび。
ロンドンの貸家事情は、部屋を借りると自分の自由に改造できるみたいだ。 内部を勝手に改築して好きなようにやっている。 日本みたいに壁に釘を打ったらいけないとか、色を塗り替えるなとか、そういうことは言わないみたい。なんだか愉しそうだ。 一人身のおばさんが住んでいたと思われるフラット借りたときのことだ。 日常生活に困らない、まあ、居抜なんだろうなあ?家財道具一式完備、の家で、室内の装飾がイギリスの雰囲気そのまま、どう見ても女性の趣味だろうと思われるたたずまい。玄関開けてリビング、そこから廊下に抜けて、ベッドルーム、続いてキッチン、そこを通り過ぎてサンルーム、そして庭に出るサンデッキ。庭には花があって、レンガの塀があり、その向こうにまた別のフラットと思しきものがあり、街になっている。 あんまり日の差さない家で、日中でもリビングは灯りが要る。 最初の日から何かいる、感じはあったんだけど、まあ、それはそれで仕方のないこととどっかで諦めていた。 どういう人かは日本に帰る日までわからなかったけれど、変わった共同生活が始まった。 時々、視界に入ってくる。その、おばさん。 そよそよと家の中を横切ったり、廊下を歩いたりする。 毎日、きちんと服は着替えて現れる。 まるで、向こうもこっちが見えていないみたいに無関心。 僕は僕で、関れるものでもないので無視。 昼間はまあ、昼間なのでそうびくつくことはないんだけど、流石にスタジオが押して、夜中に帰ってくるときはあんまりいい気持ちはしない。 いい人みたいで、夜はそんなに気配がなく、多分消してくれるのだとも思えるんだけど、怖いことは怖いんだけど、そして、そこしか寝る場所がなかったので帰る。 クマに「部屋にどうも、おばさんが毎日服装を変えて出るんだけど、どうにかならないんだろうか?」と聞いたら、「ロンドンはもともとそういうところで、歴史的にゴーストストリーのふんだんにあるところなんであきらめたほうがいい。」、諦めるしかないみたいと納得する以外に方法はない。クマには別のフラットを捜してくれる意志はまったくないみたいだし。 気のせいとか何とかじゃなく、本当にいるのだから仕様がない。そして向こうがこっちにまったくの興味がないと言うのはもう、怖いとか何とかと言う問題じゃなく、テレビみたいなものになってしまう。 振り返ってみると、よくいたなあ?と思うけど、本当に不思議な経験、体験だった。多分、まだあのフラットが無事にあったとしたら、あのおばさんはまだふわふわ家の中歩いているはずだ。 これは「after dark」を作っている頃の話。 もうロンドンには慣れていた。 キーはG。 いつーもーー♪Cmaj7 おれのーそばにーーBm7 寄り添うーーーAm7, おんなーーーがいるーD7 シャドウ・レディはおばさんのことを歌ってるわけじゃない。 歌のことでぇ、といまさらことわることでもないか? つくずく、バンドの曲だと思う。 今回は特に、きっちりとピアノがフィーチャーされてるので充にいけるところまで行き着ける。ついでにおばさんのことも思い出してあげよう。 コンサート、もうすぐだからね。
今日、芝居見に行った。「ナンシー」 舞台ってこんなにいろんなことが出来るものなんだと、感心する。 音楽とはまた別の世界あるのだ。
こら!松!重い!脛が折れる。
sasaki

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