sasakiの日記
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2004年05月21日(金) 雨降りだからミステリーでも PART2

 というのは植草甚一という爺さんの本のタイトル。
 大学の頃だったと思う。植草さんが流行ったの。
 ミステリーの評論やら趣味のことなどをでれでれと書いた人で、爺さんになるんだったらあんなふうになりたいと思わせる、スタイリッシュな爺さんだった。
 
 僕は今どんなおっさんに見えているんだろう?
 
 昨日友人の母さんの通夜に行ってきた。
 はるみちゃんに帰る間際に「ゆきおさん!髪の毛はちゃんととかしてくるようにね?上のほうなんかぴょンぴょンに立ってるよ。」と注意されてしまった。この間、人前に出てくる時は隙を見せないようにと注意してもらったばかりだったのに。風呂から上がって指櫛だけで世間に登場してしまった。
 
 母さん、享年82歳。
 あと、28年かあ、と思った。
 全然短いじゃん!
 やっぱり人生は短いなあ。
 
 百章の頃♪人生は短い、そんなに長くない ああ!疲れたらお休み♪と唄っていたんだけど、当時はまったくその言葉、その詩に何の実体もなかった。若い頃、年上の人にそんなことを言われた記憶がある。そんもんかなあ?とも思っていなかった。
 僕は今その年上の人をやる役回りになっていて、とても面倒くさい。
 今の仕事やめて音楽やりたいんだけどという相談を立て続けに受けてしまった。答えは「やめなさい!」なんだけど、どうしても自分の二十歳のころのことを思うとそうも強気に答えられない。「あのねえ?どうしても音楽やりたいんだったらまず、自分の足場を科固めなさい。どういうことかというとだねえ、今いる家を出て自活すること!大人っつうのは一人で生きていけるということ。」なんだけど、とてもそんなことは言えない。僕は二十歳でまだ家にいて、親元で生活させてもらっていた。「あのなあ、お前、才能ないから、やっぱりあきらめたほうがいいよ。」なんだけど、自分の当時を振り返ると、とても才能溢れた、自信満々というふうには思えなかったし。「音楽で生きていくの大変だよ、将来の保証もないし。」なんだけど、あまりにも見も蓋もない話で自分の口からは金輪際言いたくないせりふだし。
 
 ええい!!俺に相談するなあああああ!!!
 
 自分のことでも優柔不断なのに、人のことなんかかまっていられない。なんだけどとても、とてもそんな理不尽なことはかわいそうで言えない。
 こういった優しい気持ちを持つということがそもそも年齢的堕落の始まりじゃないんだろうかって思えてくるよ、実際。
 人の葬式に出てあと28年たったら82かあなどと考えることがもう年の陥穽にはまってしまってるんだ。

 二十歳の女の子に綿谷りさの「蹴りたい背中」どう思うって聞かれた。
 「あなたにこの間借りた少女コミックみたいだった。おもしろかったよ。」と答えたら、「やっぱり、私もそう思ったんですよお!そのまんま漫画ですよねえ。」
 話はこれ以上広がらなかった。
 彼女は漫画家になりたい、ミュージシャンになりたい、男が欲しいといって去っていった。なんなんんだ?
 でも今時の子はとても面白い。みんなそれぞれに卑怯でとても潔い。
 卑怯の中身を知らないから全然晴れ晴れと卑怯だ。僕らがどうのこうのいえるところにはもいういない。言ってもどうにもならない。
 「蹴りたい背中」そのもの。

 んなわけで、これから雨降りなのでミステリーを読む。
 気がついたらミステリーをすっかり読まなくなってしまった。面倒くさいものや、荒唐無稽なものに感動しなくなっている。これはよくないし、かっこ悪い。

 明日は三角山。あーーっ。あーーーっ。
 


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