sasakiの日記
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| 2002年07月02日(火) |
セプテンバー・バレンタイン |
ひとり歩きに 何もいらない 夢だけたべても 生きてゆけると せいいっぱいの 強がり言って そんなに悲しいひとみを 誰に向けるつもり
愛しているから さよなら言うの 見つめることだけが 愛じゃないわと 笑っていないよ 君のひとみが そんなに悲しい言葉を どこにすてるつもり
セプテンバー・バレンタイン きらいさ こんなさよならは Unhappy バレンタイン もう うしろは ふり返らないよ
(作詞 斉藤敦子 作曲 阿部恭弘)
昭和53年7月25日、3rdシングル「セプテンバー・バレンタイン」発売。
この曲は人が書いたと言うこともあるので番外扱いにさせて貰い、記憶だけを頼りに書いてゆくことにする。 この前の年か、若しくは春のポプコンに出てきた曲だと思う。 大体嬬恋にはデビューしてからはほとんど行かされていたので聞いているはずなのだが僕の記憶にはマッタク残っていなかった。 ディレクターの細川さんが一本のカセットを僕に渡し、暇なときに聞いて、その感想を教えて欲しいと言うことだった。細川さんは気に入っていると言うことだった。でも、その時は僕はまだ彼の思惑はつかめていなかった。 ホテルに戻り、聞いてみるとギターの伴奏に乗って(多分。)突然セリフが入る。 「自分が本当に愛した人から、もうあなたにはついていけませんといわれたら、僕に出来ることは、ただ精一杯分かったふりをすることでしょう。」
その時の正直な感想は、「いやー、困るな。こういうの、わやだな。」 阿部君の歌が3分ちょっとヘッドホンの中で聞こえた。 僕との共通点が全くない歌というのが正直な感想だった。 人称代名詞こそ僕になっているが、中身は100パーセント女性の世界。 別にマッチョじゃなかったけど男の部分で拒否していた。 電話でその感想を細川さんに伝えた。 前に書いたことと重複するけど、その段階ではもうオケの制作は済んでいた。まあ、言ってみれば事後承諾。後は唄わせるだけ。 ゴダイゴの
あっ、今電話があって急に出かけなければならなくなったので、続きは帰ってからにする。
今戻った。
デレクターは最初からこの唄を僕に歌わせることを決め込んでいたみたいで、是非もなかった。 ゴダイゴでドラムを叩いていたトミー=シュナイダーがその唄入れの時、たまたまスタジオに用事があって来ていてヴァレンタインの発音を教えてくれた。LとR の違いをトークバック越しに教授されたものだから、シングルを良く聞いてみるとものすごい巻き舌でヴァレンタインを唄っている。 言い歌だ、言い歌だと盛んに感心して帰っていったのを覚えている。 僕はそうかこの歌はそんなに言い歌なのかとまた戸惑っていた記憶がある。僕以外の人がみんないい歌だとシングルが出た後に言っていた。 長いことピンとこなくって、詩の中身にずっと違和感を覚えていた。 ただ、あのレコードの僕の歌は僕のベストテークだと今でも思っている。 あっけなく歌入れが終わった。 あれ?今のでよかったの? 何にも考えていなかったよ、力も出し切っていないのに、テイクワンOK? 歌というのは不思議なものだ。 考えてどうなるものではなく、思いの丈を入れてもそれがそのまま伝わるものでもなし、音程があっていればそれで済むというものでもない。 24年も前の唄を今も歌っている。 今もその頃のモロモロのことを考えながら唄っている。 斉藤さんてどんな人なんだろう?阿部君とは一度札幌の市民会館で彼のステージに参加したことがある。阿部君のこの歌も聴いてみたい。
ロンドンで録った〈Jealousy〉に入っている「September Valentine」はこのシングルと違い、とてもゴージャスに仕上がっていてカバー感があっていい。 是非聞いて欲しい。
sasaki

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