sasakiの日記
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2002年03月18日(月) ぶるう


 さっきのはなしの つづきをしようよ
 ぼくのうわきが どうとか
 いやなゆめを みたんだね 
 そんなきみがすきだよ

 こいはいつでも ひすてりいみたいなものさ
 ほら きみとおなじ ほら きみとおなじよう

 きみがぼくにかいたてがみの
 へんじはださないよ いつものことさ
 ぼくがあいしたのは きみでも
 だれでも なかったようだね


 そろそろ人生を考えなければ。
 こんな生活がいつまでも続くわけがない。
 僕は静内から札幌に向かう車の中で考えていた。
 その車は徳光さんから借りたもので、週末、最後の歌が終わると夜走りで毎週札幌に戻る。ヘッドライトの中にセンターラインが延々と続く。
 毎日毎日人前で人の歌を歌うことにうんざりし始めていた。
 鵡川から山中に入っていく。対向車もほとんどなく唯一元気を付けてくれるのは
細々と聞こえてくる深夜ラジオ。
 ふきのとうの「白い冬」が流れてくる。
 
 僕は何をしているんだろう?
 
 山木が言っていた。
 「おまえなあ、はやく勝負かけろ。いつまでちんたらやってんだよ?」
 口癖のように言っていた。
 尤もそんな風に言うには山木だけではなかったけど。
  
 僕は静内で唄っていてようやく自分の行く方向を決めた。
 聡と不二男さん、寝る前にいつもこれからのこと、この先のこといつまでここにいるかを話し合った。この小さな町で、この先のことを話さなければならないほど3人とってはここはよその町だったのだろう。
 3人ともそんなに長くはこの町にいない。
 次にここを訪ねてももう誰もいないと言うことは充分に考えられた。
 
 もう少しアクセルを踏んでみる。
 踏んだ分だけ札幌が近くになる。
 遠くにヘッドライトが見える。遠目から近目に変わる。
 どんなに夜が更けても道の上では必ず誰かが車を運転している。
 みんながみんな歌唄いじゃあるまいに。
 
 とにかく今ある曲全部録音とって貰おう。
 それが済んだら就職活動だ。
 そして、もうこんな生活からは足を洗おう。
 ネクタイ首に巻いて毎日朝から会社に行くんだ。

 聡は千佳ちゃんをどうするつもりなんだろう? 


sasaki