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宮沢賢治の作品を耳で楽しむ「朗誦伴奏」
『十月の末』も『いてふの実』も、読んだことはなかった。 先入観のない状態で聴けるってことだ。
『十月の末』は、方言で書かれたお話で、 地方地方によるニュアンスは違えど、 岩手県人ならば、解説なしになんとなーくわかる。 ってか、なんとなーく、わかった。
「一天俄に掻き曇り」と、8文字でいい切れる天候の急変を、 まるで映画のワンシーンを積み上げるように、 ひとつひとつ描写して、その切迫感を表す。 両手に盛った雹の冷たさまで、感じられた。
『いてふの実』を聴いていて真っ先に思い浮かんだのは、 6年前の秋、アヤメさんの出産準備でムスメが帰省したときのこと。
検診を待つ間、当時2歳のワカメさんと、 そのへんを散歩することにしたのだった。 そのへん、って岩手大学農学部正門の周辺なんだが、 門を入ってすぐの大銀杏がきれいに落葉し、 辺りが真っ黄色に染まっていた。 そこにワカメさんを立たせて写真を撮った。 ・・・のだが、ワカメさんはめっちゃテンション低くて、 (アングルを求めて、私が後ずさりして離れたからでしょう) 暗〜い表情の写真しか撮れなかったのだった(;^_^A
イチョウの子どもたちが母なる木から旅立つ、 つまるところ、銀杏の擬人化ってことなんだが、 「さようなら、お母さん!」と言いつつ悲しげではなく、 未来とか希望とか再生とか、 そういう明るいイメージを感じたな。
岩手にいるからこそ、賢治さんが書いた情景を、 賢治さんが見たであろう景色に重ねることができる。 最も、賢治さんの気持ちに近い! って思っていいよね!
演奏コーナーも素晴らしかった。 超有名どころから、聴いたことあるかも、な曲まで、 アンコールを含め、たっぷり4曲。
今日は朝からドタバタとモノを移動したり片づけたり、 さんざん身体を動かしていたので、 眠くなったらどないしよ、と心配していたのだったが、 そんなもの、まったくの杞憂であった。 おもしぇがった。
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