Diary
ちか



 

今日はワタシが数ヶ月前に体験したヒプノについて書こうと思う。
ヒプノってのは、セラピストの誘導に乗って自分の潜在意識に入っていくっていうセラピーで、前世に行けたりする(らしい)。

なぜヒプノで前世に行こうかと思ったかは、今特に熱中する事も無く日々を過ごしている自分が何かイヤで、それをセラピストに言ったら
「では、アナタが一番輝いていた前世に行ってみましょう」と言われたのがきっかけだった。

ヒプノ初体験のワタシは、なかなかセラピストの誘導に乗れずに初めはしんどかった。
床に寝転がり、目を閉じる。
セラピストが喋っている内容は特に特別なものとは思えない内容。

「野原があります。あなただけの野原です。どんな野原ですか?」
「野原には小川があるかもしれません。小川のせせらぎが聞こえるかもしれません」

・・・野原なんて見えないし、小川のせせらぎなんて聞こえない。
何も変化が無いのでプチパニックになるワタシ。
また、前世とかあまり信じてなかったので、すっごく冷静なワタシが居て自分の置かれている状況を嘲笑していた。

いつまでたっても野原が見えないワタシはセラピストにその事を伝えた。
そうするとセラピストは言葉を変えてきた。

「一度地球を出ましょう。白い繭がアナタを包み込み、大気圏を上昇していきます。更に遠くまで行きましょう。ここからはアナタの居た地球が見えます。キレイですね。では、地球に戻る時間です。アナタの繭は地球の引力に引き寄せられてすごいスピードで戻っていきます。」

なんとなくこのイメージは思い浮かべる事ができた。
その後、地球に戻ったワタシの繭は徐々に開いていった。

「まず、足元を見てください。何が見えますか?」

足元を見たワタシはビックリ!
底の厚そうな黒い靴を履いていた。
徐々に視線を体の方に移すと、紺地に金の刺繍が入っている、まるで中世?の貴族が着ているような服を着ている。
そして何と!頭には真っ白のカツラを被っていた。

ワタシの居る場所は黒い馬車の中で、どこかに向かっている様な感じ。
外を見ると、石畳の道の両側には3〜4階建ての石?で出来た家がびっしりと並んでいた。

しばらくすると一軒の家の前で馬車は止まった。
道路からすぐのところにドアがあり、中に入ると豪華な装飾がほどこされた部屋があった。
大きな油絵が数枚飾ってあり、左奥には大きな扉とその先にホールのような部屋が見えた。

その部屋へ進んでいくと、もう既にホールの中にはたくさんの人が居た。
みんな紳士・淑女といった上流階級の人に見えた。
ホールに入ったワタシに一人の女性が近づいてきた。
ピンク(といっても少しくすんだような)のドレスを着て髪をアップにした細身の女性。

その女性がワタシの腕に手を回し、一緒に舞台の方へ歩き始めた。
舞台といっても、高さも無い簡素なものだった。
そこに置いてあったものを見てワタシの足は止まった。
カレは進もうとするのに現実のワタシが足を止めた。

こんな事あるはずが無い!
こんなのはインチキか妄想だ!
信じられない!

これまで見えていたものをセラピストに伝えていたワタシは、今見えた事を伝えるのを止めた。
セラピストは「どうしましたか?」と聞いてきた。
地球に戻ったところから、彼女は一言も喋っていない。
ただ、ワタシが見たものだけをワタシが彼女に伝えていた。

「こんなことありえません!信じられません!もう見たくありません!」

こう言って混乱するワタシをセラピストはこの場から離れる様に促してくれた。
その前に、彼に「今、その事をしていて楽しいか」という事だけ聞くように言われたので聞いた。
彼は言葉は発せずにコクリとうなづいた。

さて、この場を離れたワタシはセラピストの誘いによってハイアーセルフという人に会いに行った。
ハイアーセルフは少年だった。
何を言われるでもなかったけど、少年は同じ名前を繰り返した。
またしてもワタシは呆然。

セラピストに「何が起こっていますか?」と聞かれてもパニックは収まらず、「答えられません。答えたくありません。こんなことあり得ません。妄想です。」と繰り返した。


ハイアーセルフが繰り返した名前は「アマデウス」
ワタシがホールで見たものはピアノ。

ワタシは子供の頃からなぜか彼の曲だけは受け入れる事ができず、彼のCDだけは一枚も持っていなかった。
彼の曲を聴くのは時間の無駄だと思っていたし、ピアノを習っていた時に彼のソナタを課題で出されたときは先生に弾くことを拒否した。
今回何故彼が出てきたのか分からない。

家に帰ってから初めて彼のことを調べた。
今年はちょうど生誕250年の年とかで、結構簡単にいろんなことを調べる事が出来た。
驚いたのはザルツブルグの町並みを見たとき。
ワタシがヒプノで見た町並みにそっくりだった。
また、奥さんの肖像画を見たとき、腕を組んで歩いた女性に似ていたので驚いた。

ワタシの前世が彼だったかは確証もないし、はっきりいってそんな事はどうでもいい事だ。
とりあえず、帰ってから彼の音楽を聴く事にした。
そして、ワタシが思ってたほど悪い曲なんて無く、共感できた曲もたくさんあった。
まぁ、思い込みと偏見だけで今まで聴かなかった音楽を開拓できてよかったと思う。

2006年10月13日(金)
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